岩手日報社、創刊150周年を機に未来への羅針盤を策定
2026年、岩手日報社は創刊150周年という大きな節目を迎えます。この記念すべき年を前に、同社は新たな企業指針となるMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を策定し、150周年記念ロゴマークを決定しました。少子高齢化や人口減少といった地域が抱える課題、多様化する社会環境の中で、「岩手のために何ができるのか」という問いに向き合い、持続可能な未来社会の実現に向けて県民とともに歩む決意を示しています。
新たなMVVに込められた「岩手愛」
岩手日報社が掲げるMVVは、同社の存在意義、あるべき姿、そして行動指針を明確に示しています。
ミッション
「今日も、岩手を元気にする。」
このミッションは、現地に足を運び、人々に会い、声なき声にも耳を澄まし、真実を伝えるという報道機関としての役割を超え、岩手の人々や営みを今日よりも元気にしようという強い意志が込められています。
ビジョン
「岩手につくす集団」
ジャーナリズムの枠にとらわれず、社員一人ひとりが専門性を活かして岩手をプロデュースし、職種や組織の垣根を越えて岩手の今と世界をつなぐ、という未来像を描いています。
バリュー
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〈心〉岩手愛: 岩手のためにできることを考え続け、やるべきことは何でもやる。
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〈技〉身をもって確かめた真実: 今必要な真実を届け、真偽と出所が定かではない情報は絶対に扱わない。
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〈体〉駆けつける足(コミュニケーション): 日々に寄り添い、有事には瞬時に現地に向かい支える。
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取りこぼさない目(インサイト): 自分の目、当事者の目、社会の目で、熱く冷静に物事を捉える。
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手と手をつなぐ手(ブリッジ): 元気な未来につなぐために、人々をつなぎ、岩手を一つにする。

これらのMVVは、次代を担う若手・中堅社員が中心となって策定されました。150年の歴史を振り返りながら、38人もの県内外の識者にインタビューを実施するなど、多角的な視点を取り入れたプロセスを経て、「県民との約束」として紡ぎ出されています。
150周年記念ロゴマークに込めたメッセージ
創刊150周年を記念するロゴマークも公開されました。数字の「150」の「0」の中心が岩手県の形になっており、「これからもずっと中心にあるのは岩手のために」というコンセプトが表現されています。さらに、「IWATENI(岩手に)」という文字が強調されており、地域への深い愛情と貢献への決意が視覚的にも伝わるデザインです。

岩手日報社は、1876年(明治9年)7月21日に盛岡市で「巖手新聞誌」として誕生して以来、岩手県の発展振興を願い、報道活動と多岐にわたる事業を展開してきました。
MVV策定が企業にもたらす多角的なメリット
企業がMVVを明確にすることは、単なるスローガン作り以上の大きな意味を持ちます。特に、地域に根ざした企業にとって、その効果は計り知れません。
1. 組織内外へのメッセージ統一とブランド力強化
MVVは、企業の存在意義や目指すべき方向性を社内外に明確に伝えます。これにより、従業員は日々の業務に目的意識を持ち、顧客や地域住民は企業の姿勢に共感しやすくなります。結果として、ブランドイメージが向上し、競争力強化に繋がります。これは、長期的な視点での生産性向上や、ひいては外注費削減にも寄与するでしょう。
2. 意思決定の迅速化とコスト削減
明確なMVVは、経営層から現場まで、あらゆる意思決定の基準となります。「この行動は私たちのミッションに合致しているか」「ビジョン達成に貢献するか」という軸があることで、判断に迷いが減り、迅速かつ一貫性のある意思決定が可能になります。無駄な議論や方向性のブレが減ることは、結果的に時間的コストの削減に繋がります。
3. 従業員のエンゲージメント向上と定着率改善
MVVが従業員自身の価値観と重なる時、彼らは仕事に誇りを持ち、高いモチベーションで業務に取り組むことができます。岩手日報社のように若手・中堅社員が策定プロセスに関わることで、「自分たちが会社の未来を創る」という当事者意識が芽生え、エンゲージメントが飛躍的に向上します。これは、優秀な人材の確保と定着に繋がり、採用コストの削減にも寄与するでしょう。
4. 新規事業創出と持続可能な成長
「ジャーナリズムの殻を破る」「岩手をプロデュースしていく」といったビジョンは、既存の枠にとらわれない新たな事業やサービスの創出を促します。MVVが羅針盤となり、社会の変化に対応しながらも、ブレない軸を持って挑戦し続けることで、企業の持続可能な成長を後押しします。
スタートアップが岩手日報社の取り組みから学べること
岩手日報社のMVV策定プロセスと、その内容から、特にスタートアップ企業が学ぶべき点は多くあります。
1. 創業期からのMVV策定の重要性
スタートアップは、創業期から明確なMVVを持つことで、企業文化の礎を築き、採用、資金調達、事業戦略のすべてにおいて一貫性を持たせることができます。岩手日報社が150年の歴史を振り返り再定義したように、常に自社の存在意義を問い続ける姿勢は、変化の激しい時代を生き抜く上で不可欠です。
2. 若手社員を巻き込む価値
若手・中堅社員がMVV策定の中心を担ったことは、組織の活性化と次世代リーダー育成の好事例です。スタートアップにおいても、創業メンバーだけでなく、初期から参画する社員を巻き込むことで、MVVへの共感を深め、組織の一体感を早期に醸成できます。
3. 地域に根ざしたビジネスの可能性
「岩手のために」という明確な地域貢献の軸は、単なるビジネスを超えた価値を生み出します。スタートアップも、特定の地域やコミュニティに深くコミットすることで、強い信頼関係を築き、持続可能なビジネスモデルを構築するヒントを得られるかもしれません。
まとめ:地域と共に未来を創る「県民との約束」
岩手日報社が今回発表したMVVと記念ロゴマークは、単なる企業の内部方針に留まらず、地域社会、ひいては日本の地方が直面する課題に対する一つの答えを示していると言えるでしょう。「県民との約束」として、これからも県民の拠り所となる企業を目指す岩手日報社の歩みは、多くの企業にとって、持続可能な経営と地域貢献のあり方を考える上で貴重な示唆を与えてくれます。
同社の150周年特設サイトでは、MVVの全文や詳細が公開されています。ぜひご覧ください。
