はじめに:現代教育が抱える「見えない課題」
現代の教育現場では、生徒の自己効力感の低下や、教員の多忙化、それに伴う離職率の増加といった課題が顕在化しています。また、大学入試の総合型選抜の拡大や高校での「総合的な探究の時間」の必修化により、「正解のない問い」に挑む生徒たちをどう導き、目に見えにくい成長をどう評価し、社会へとつなげていくかという新たな問いが生まれています。
こうした背景の中、株式会社エナジードと住友生命保険相互会社が共催する中高生の社会実装型プレゼン大会「ENAGEED SUMMIT」は、教育現場と社会をつなぎ、これらの課題に光を当てる取り組みとして注目を集めています。全国9,333名の中高生がエントリーし、社会を変えるアイデアを形にするこの大会は、生徒たちの「社会を変える自信」と、先生たちの「指導の手応え(やりがい)」を同時に高めることを目指しています。
ENAGEED SUMMITとは:社会とつながる「探究」の場
ENAGEED SUMMITは、生徒たちが身近な違和感から価値仮説を立て、それを検証し、最終的に社会につながる提案へと磨き上げて共有する全国規模のプレゼン大会です。これまでの学校教育では評価が難しかった「主体性」や「行動力」といった人的スキルを、ENAGEEDのプラットフォームを通じて可視化できるのが特徴です。
単にプレゼン技術の優劣を競うのではなく、生徒がいかに社会と関わり、他者を巻き込みながら「0から1」を生み出したかという“過程と成果”に光を当てています。これは、知識偏重から多面的・総合的な評価へと転換する大学入試の動向にも合致しており、次世代教育のショーケースとしての役割を担っています。
大会特設サイトはこちらから:
https://www.enageed.jp/summit-2025-viewing
テクノロジーが教育にもたらす変革:成長の可視化と生産性向上
「正解のない問い」に挑む生徒をどう導き、その成長をどう示すかという課題に対し、ENAGEEDはテクノロジーを駆使して解決策を提示しています。生徒の思考と行動のプロセスをデータとして捉え、小さな前進や試行錯誤を可視化するのです。これは単なる“評価のための評価”ではなく、生徒の可能性を発見し育成することを目的としています。
見えにくかった生徒の変化が共通言語化されることで、先生方は指導の手応えを得やすくなり、結果として教員の指導における生産性向上につながります。また、学びが次の挑戦へと自然に接続されることで、生徒は自らの成長を実感し、学習意欲を高めることができるでしょう。これは、学校現場が「採点」から「成長支援」へと力点を移し、教育の質と競争力を強化するための教育OS(基盤)の実装を進めるものと言えます。
決勝大会の見どころ:未来の社会変革者たち
2025年12月13日(土)に東京ミッドタウン八重洲で開催される「ENAGEED SUMMIT 2025 THE FINAL」では、全国9,333名のエントリーから厳選された10校の中高生が登壇します。防災、地域活性、学校改革など、多岐にわたるテーマで社会実装に挑む彼らのプレゼンテーションは、まさに未来の社会変革者たちの姿を映し出すことでしょう。
会場観覧とオンライン配信の両形式で行われ、住友生命保険相互会社の橋本氏をはじめ、株式会社オハラ、株式会社グッドパッチ、株式会社テレビ東京、東急株式会社など、各界の第一線で活躍する方々が審査員として参加します。

決勝進出校とテーマの一部を以下に紹介します。
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捜真女学校高等学部:「するポン!〜すべての人の生活を快適にするために〜」
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三原市立第五中学校【初出場】:「自分たちでやりきる防災訓練 正常化バイアスを打ち破れ!」
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九州産業大学付属九州産業高等学校【初出場】:「UVカットウェア」
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佐久長聖中学校:「2B BAG」
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仙台市立仙台商業高等学校【初出場】:「Summer Blizzard」
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高知県立安芸高等学校:「自分でできた!がうれしい子ども靴」
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熊本県立玉名高等学校附属中学校:「夜道を安全に!プロジェクション横断歩道」
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清林館中学校【初出場】:「夏の暑さからチョコレートを救え!!」
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仙台市立仙台商業高等学校【初出場】:「私達がつくりたい仙商食堂の未来」
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西南女学院中学校:「背中をcool down」
スタートアップが学ぶべき「0から1を生み出す力」
ENAGEED SUMMITの取り組みは、教育現場だけでなく、スタートアップ企業にとっても多くの学びを提供します。
- 「身近な違和感」を起点とする発想: 決勝進出校の多様なテーマは、日常の中にある小さな不便や課題から、社会を変える大きなアイデアが生まれることを示しています。これは、新しいビジネスチャンスを見つける上で非常に重要な視点です。
- 小さく試す「リーンスタートアップ」的アプローチ: 価値仮説を立て、小さく試行錯誤を繰り返しながら社会実装を目指すプロセスは、まさにスタートアップが実践する「リーンスタートアップ」の考え方と共通します。
- 社会を巻き込む力: 他者を巻き込みながらアイデアを形にしていく生徒たちの姿は、ビジネスにおけるパートナーシップ構築やコミュニティ形成の重要性を教えてくれます。
- プロセスを可視化し、改善につなげるデータ活用: ENAGEEDのプラットフォームが学生の思考プロセスをデータ化するように、スタートアップも顧客行動や開発プロセスをデータとして捉え、改善に活かすことで、事業の生産性向上や競争力強化に繋げることができます。
このような教育を通じて育まれる「0から1を生み出す力」を持った人材は、将来的に社会全体のイノベーションを加速させ、長期的な視点で見れば、外部に依存しない内発的な問題解決能力を高め、ひいては外注費削減にも寄与するでしょう。
ENAGEED SUMMITの多角的分析:メリットとデメリット
メリット
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生徒の自己効力感と社会貢献意識の向上: 自分のアイデアで社会に貢献できるという実感は、生徒たちの自信と将来への希望を大きく育みます。
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教員の指導満足度と専門性の向上: 生徒の目に見えない成長をデータで可視化することで、教員は指導の成果を実感しやすくなり、やりがいや専門性の向上につながります。これは教員の離職率低下にも寄与し、教育現場の安定化に貢献します。
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学校と社会の連携強化: 企業や地域が教育に参画する機会を提供し、学校が社会と密接に連携するモデルを構築します。
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新しい評価軸の確立による教育の多様化と競争力強化: 知識だけでなく、主体性や行動力を評価する新しい教育モデルは、生徒一人ひとりの多様な可能性を引き出し、学校全体の教育的競争力を高めます。
デメリット
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プラットフォーム導入・運用コスト: 新しいテクノロジー基盤の導入には、初期費用や継続的な運用コストが発生します。
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教員の新たな指導スキル習得への時間と労力: 探究学習の指導やテクノロジーの活用には、教員が新たなスキルを習得するための時間と研修が必要です。これには一時的な負荷がかかる可能性があります。
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探究テーマ選定や社会連携における学校側の調整負荷: 生徒の探究テーマの選定支援や、企業・地域との連携調整には、学校側の労力と時間が必要です。
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成果の定量化の難しさ: 自己効力感や主体性といった非認知能力の向上は、短期的に定量的な成果として測定することが難しく、長期的な視点での評価とコミットメントが求められます。
まとめ:教育の未来を照らす希望の光
「ENAGEED SUMMIT」は、現代教育が抱える課題に対し、生徒と教員、そして社会全体が連携して解決策を見出す、希望に満ちた取り組みです。生徒たちが自らの可能性を信じ、社会に働きかける「社会を変える自信」を育む場は、未来を担う若者たちへの最も価値ある投資と言えるでしょう。
この大会が示す「探究」から「ソーシャルインパクト」への道のりは、これからの教育のあるべき姿を示すだけでなく、ビジネスの領域においても「0から1」を生み出すイノベーションのヒントを与えてくれます。私たち一人ひとりが、次世代の教育を支え、未来の社会を共に創っていく意識を持つことが、より豊かな社会を築く第一歩となるはずです。
未来を信じて挑戦する若者たちに、心からのエールを送りましょう。
