はじめに:理系出身者の皆さんへ
「理系で学んだ知識やスキル、本当に仕事で活かせるのかな?」
「どんな職業を選んだら、自分の強みを最大限に発揮できるんだろう?」
もしあなたが理系出身者で、このような悩みやキャリアに関する疑問を抱えているなら、この記事はきっとお役に立つでしょう。理系の学びは、物事を筋道立てて考える力や課題解決力など、専門分野を超えて応用できる普遍的なスキルを私たちにもたらしてくれます。しかし、その強みを具体的にどうキャリアに結びつけるかは、なかなか難しい課題ですよね。
今回は、理系出身者243人を対象に行われた「理系におすすめの職業に関する意識調査」の結果をもとに、理系の方々が自分らしく輝ける職業や、仕事で役立つスキルについて深掘りしていきます。あなたのキャリアのヒントが、きっと見つかるはずです。
理系の強み、最大限に活かせていますか?
理系での学びは、数字やデータ、実験、自然現象の理解を通じて、論理的思考力や課題解決力を養います。これらの力は、専門分野に限らず、ビジネスのあらゆる場面で非常に価値の高い強みとなります。例えば、スタートアップ企業が直面する未知の課題や、既存企業の生産性向上、コスト削減といった目標達成においても、理系出身者の客観的な視点と分析力は大きな競争力となるでしょう。
理系におすすめの職業ランキングTOP5
理系出身者243人に「理系におすすめの職業」を尋ねたところ、以下の結果となりました。

1位:ITエンジニア(39.9%)
圧倒的1位は「ITエンジニア」でした。20代女性の回答にあるように、「アルゴリズム」「データ解析」「暗号」といった数学的な理解が不可欠な分野で、理系の強みが光ります。現象を数式やモデルで表すことに慣れている理系の方々は、システム設計やデータ構造の理解にも強く、複雑な問題を論理的に解きほぐす能力は、IT分野で高い生産性を生み出します。
また、30代女性の意見のように、技術の進歩が早く常に学び続けられる環境は、探求心旺盛な理系の方にとって大きなメリット。最新のIT技術に触れる機会が多く、自身のスキルを常にアップデートできるため、競争力強化にも直結します。スタートアップ企業では、限られたリソースの中で効率的なシステム開発が求められるため、理系の論理的思考力や問題解決能力は、外注費削減や開発スピード向上に大きく貢献するでしょう。
2位:エンジニア(17.7%)
機械工学や電気電子工学といった分野と直結する機械系・電気系のエンジニアが2位にランクイン。専攻分野を実務に応用できるため、採用選考でも有利になりやすい傾向があります。30代男性のコメントのように、専門学科で学ぶ人が比較的少ないジャンルでは、競合が少なく安定して活躍できる環境も魅力です。
電気回路や構造の設計など、数学・物理の思考を活かせる場面が多く、製品開発における品質向上や製造プロセスの最適化を通じて、生産性向上やコスト削減に貢献できます。特に製造業のスタートアップでは、技術的な課題解決能力が事業の成否を分けるため、理系出身のエンジニアは不可欠な存在です。
3位:研究職(15.2%)
大学や大学院で培った知識や探究心を直接活かせる研究職が3位です。大学での研究はもちろん、企業や研究所での研究開発も含まれます。興味のあることや疑問を徹底的に突き詰められる点は、理系の方々にとって大きな魅力でしょう。現在は博士号が必須となる募集も多いですが、知的好奇心を満たしながら社会に貢献したい方には、非常にやりがいのある選択肢です。
4位:医療職(11.9%)
看護師や薬剤師など、医師・歯科医師以外の医療職(コメディカル)も多く挙げられました。国家資格が必要な職種が多いため、「国家資格があれば、全国どこででも長く働ける」という安定感が選ばれる理由です。キャリアの安定だけでなく、ライフステージに合わせて柔軟に働ける点も魅力。生物学、化学、医学などの知識を直接活用でき、人々の健康を支えるやりがいを感じられるでしょう。
5位:建築設計(5.3%)
建築や土木に関する学科で学んだ知識を活かせる建築設計が5位です。ものの組み立てや物質量の計算など、理系の考え方を用いる場面が多く、綿密な計算と予測スキルが求められます。1級・2級建築士は難関資格ですが、取得できれば重宝され、安定したキャリアを築けます。理系で培った空間認識能力や構造理解は、安全で機能的な建築物を生み出す上で不可欠な要素です。
理系の学びが仕事で「本当に役立つスキル」TOP5
理系の学びで仕事に役立つスキルについて尋ねたところ、以下の結果となりました。

1位:論理的思考(31.7%)
最も多く挙げられたのが「論理的思考」でした。理系の学びでは、自然現象や実験結果を因果関係で説明することが求められるため、誰もが納得できるように筋道を立てて考える習慣が身につきます。仮説を立て、検証し、結論を導くこの思考法は、ビジネスシーンでも普遍的に役立つスキルです。
雰囲気や常識に流されず、論理的に考える姿勢は、問題解決の精度を高め、チーム内のコミュニケーションを円滑にします。例えば、プロジェクトの課題を分析し、最適な解決策を導き出す際に、この論理的思考力は生産性を大きく向上させ、意思決定の失敗リスクを減らすことでコスト削減にも繋がります。スタートアップにおいては、特に不確実性の高い状況で的確な判断を下すために、このスキルが非常に重要視されます。
2位:データ分析能力(30.5%)
僅差の2位は「データ分析能力」でした。理系では実験データや調査データを扱う機会が多く、結果を数字で示し、傾向を読み取る力が磨かれます。データから考察する能力は、ビジネスにおいて市場の動向分析、顧客行動の理解、効果測定など多岐にわたる場面で活用されます。
「論理的思考を重視するので、データを読み解く力は仕事でとても重宝している」というコメントが示すように、正確なデータ分析は論理的思考をサポートする強力なツールです。データに基づいた意思決定は、勘や経験だけに頼るよりもはるかに精度が高く、無駄な投資を防ぎ、効率的な戦略立案を可能にします。これにより、コスト削減や競争力強化に直結し、特にデータドリブンな意思決定が求められる現代のビジネスにおいて不可欠なスキルと言えるでしょう。
3位:専門知識(16.9%)
特定の職業や業務に直結する学部学科で学んだ「専門知識」も、多くの人が仕事で役立っていると感じています。例えば、看護学科を卒業して看護師になる、建築学科を卒業して建築士になる、といったケースです。学生時代に得た専門知識は、実務をスムーズに開始させ、職場の研修や仕事内容の理解を早める大きなメリットとなります。
4位:計算力(8.6%)
理系では数字を扱うことが多く、日常的に計算と向き合うため、「計算力」も仕事で役立つスキルとして挙げられました。複雑な計算や概算を素早く行う能力は、状況把握を容易にし、日々の業務効率を高めます。特に、財務分析や予算管理など、数字を正確かつ迅速に扱う必要がある業務では、このスキルは生産性向上に直結します。
5位:数学的思考(7.8%)
「複雑な事象を数式やモデルに落とし込み、再現性の高い解決策を導くための考え」である数学的思考も、ビジネスシーンで大いに役立っています。例えば、最適な配送ルートの検討や、利益率と売上・コストの関係を数式で整理するなど、具体的な問題解決に応用できます。この思考法は、ビジネスにおける複雑な課題をシンプルに構造化し、効率的な解決策を見出す上で強力な武器となります。
理系の専門知識は8割以上が仕事で活用している!
「理系の専門知識を仕事で使っているか」という問いに対しては、「頻繁に(36.2%)」「時々(44.9%)」を合わせて81.1%もの人が「使っている」と回答しました。

この結果は、多くの理系出身者が、学んだ知識を何らかの形で仕事に活かしていることを示しています。専門知識そのものを直接使う場面もあれば、前述した論理的思考やデータ分析能力といった汎用性の高いスキルとして応用されるケースも多いでしょう。理系の学びで培われる、数字やデータに基づいて判断する姿勢は、幅広い職種で生産性向上、コスト削減、競争力強化に貢献できる普遍的な価値を持っています。
まとめ:理系出身者のキャリアを成功させるために
今回のアンケート結果から、理系出身者におすすめの職業として「ITエンジニア」がトップに挙げられ、その他にも「エンジニア」「研究職」「医療職」「建築設計」といった、専門性や論理的思考力を活かせる職種が多くランクインしました。
大学や専門学校で得た専門性が直接的に活かせる職種に進むことは、キャリア形成において効率的で満足度の高い道と言えるでしょう。しかし、「学校では情報系を専攻したけれど、ITエンジニアは少し違うかも…」と感じる方もいるかもしれません。そのような場合でも、専攻のイメージだけで職業選択の幅を狭める必要はありません。
理系の学びで培われる「論理的思考」や「データ分析能力」といった汎用性の高いスキルは、たとえ専門分野に直接関係ない職種を選んだとしても、あらゆるビジネスシーンで大いに役立ちます。これらのスキルは、どのような企業においても生産性向上、課題解決、そして競争力強化の原動力となるからです。特にスタートアップ企業にとっては、これらのスキルを持つ理系人材は、事業の成長を加速させ、外注費削減や効率的な意思決定に貢献する貴重な存在となるでしょう。
あなたの理系の強みを信じて、可能性を広げるキャリアをぜひ探してみてください。理系の学びは、あなたの未来を切り拓く強力な武器となるはずです。
監修者紹介

増沢隆太氏
株式会社RMロンドンパートナーズ代表、東北大学特任教授、人事コンサルタント、産業カウンセラー。理系就活の第一人者として、キャリア情報を発信されています。
調査元
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