ショッピングセンターの新たな挑戦:デジタル時代の「リアル」の価値向上
本格的な郊外型ショッピングセンター(SC)が日本に誕生して50年余り。SCはこれまで時代の変化に合わせて、生活者のライフスタイルを支える重要な役割を担ってきました。しかし、デジタル社会の急速な発展は、SCの「リアルな場」としての価値に変革を迫っています。
この大きな課題に対し、一般社団法人日本ショッピングセンター協会とNew Commerce Ventures株式会社が共催する「チャレンジピッチ2026 ~NEXT SC~」は、スタートアップの新たな発想や技術を取り入れ、協業を加速させることで、SCが今後も社会インフラとして発展し続けることを目指しています。

登壇企業が示す、SC業界の課題解決と未来のビジネスチャンス
今回のピッチイベントでは、SC業界が抱える「集客の多様化」「顧客体験の深化」「運営効率の改善」「サステナビリティへの貢献」といった多岐にわたる課題に対し、11社のスタートアップが革新的なソリューションを提案します。
彼らのビジネスプランは、SCの生産性向上やコスト削減、競争力強化、外注費削減といった具体的なメリットをもたらす可能性を秘めています。
顧客エンゲージメントと新たな収益源の創出
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株式会社Cellest: 「空いた時間・空いた店舗を、ライブコマースで新たな収益源に」
- SC内の未活用スペースやアイドルタイムを、ライブコマースを通じて収益化する提案です。これにより、新たな顧客層へのアプローチと売上向上に貢献し、SCの生産性向上に直結するでしょう。
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株式会社SHINSEKAI Technologies: 「ソーシャルコマースを最大化させるエコシステム」
- SNSと連携した購買体験を提供し、顧客のコミュニティ形成を促進します。口コミによる集客効果や顧客ロイヤルティの向上を期待できます。
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株式会社moze: 「毎日1.5億人が遊ぶ次世代SNS”Roblox”活用プロモーション」
- 若年層に人気のメタバースプラットフォーム「Roblox」を活用し、SCのブランド認知度向上と新しい顧客層の獲得を目指します。
体験価値の向上と差別化戦略
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SkyBear株式会社: 「日本初!SC内インドアドローンショーで圧巻差別化」
- SCの空間を活かしたエンターテイメントを提供し、他にはない「体験」を創出します。集客力向上とブランドイメージの差別化に大きく貢献するでしょう。
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株式会社Domuz: 「SC・リテールに組み込む、生花による”良質なギフト体験”の実装」
- 生花を介した感動的なギフト体験を提供することで、SCにおける購買体験を豊かにし、顧客満足度を高めます。
訪日客・多様な顧客への対応強化と売上拡大
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株式会社Pie Systems Japan: 「『免税』を収益機会に変える、リアルな接点から始まる「旅ナカ」個客購買戦略」
- 免税手続きの簡素化だけでなく、訪日外国人観光客の購買データを活用したパーソナライズされたプロモーションで、売上最大化と顧客単価向上を実現します。
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株式会社Reelu: 「訪日客売上を逃さない、接客人材のマッチングサービス」
- 多言語対応可能な人材を効率的にマッチングし、訪日客の購買体験を向上させます。これにより、売上機会の損失を防ぎ、外注費の最適化にも繋がるでしょう。
運営効率化とDX推進によるコスト削減
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DXYZ株式会社: 「入館証もスマホも不要。入退館から決済まで顔ダケでつなぐ「FreeiD」」
- 顔認証システムにより、入退館から決済までをスムーズにし、顧客の利便性を飛躍的に向上させます。セキュリティ強化と同時に、受付業務などの人的コスト削減にも貢献するでしょう。
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株式会社Unicode: 「接客・販売に集中できる環境をつくる、店舗発物流の最適解「ShipOne」」
- 店舗からの配送業務を最適化し、従業員が接客・販売に集中できる環境を創出します。物流コストの削減と生産性向上に寄与するはずです。
環境貢献と新たな地域インフラの構築
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株式会社komham: 「廃棄物処理をもっとわかりやすく。微生物診断とスマートコンポストで変わる運用」
- SCから出る廃棄物の効率的な処理を提案します。環境負荷の低減とSDGsへの貢献、そして廃棄物処理コストの削減にも繋がるでしょう。
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CommerceXホールディングス株式会社: 「商業施設が“地域の食品インフラ”になる──SCに食品ロス削減拠点をつくるという選択」
- SCを地域における食品ロス削減の拠点とすることで、地域社会への貢献と新たな顧客層の獲得を目指します。
スタートアップが「チャレンジピッチ2026」から得られるもの
このピッチイベントは、スタートアップにとってSC業界という巨大な市場へのアクセスを提供する絶好の機会です。大企業との協業機会だけでなく、ビジネスモデルの検証、業界特有の課題に対する深い理解、そして将来的な資金調達へと繋がる貴重な経験となるでしょう。特に、SC業界のニーズに合わせたソリューションを磨き上げることで、市場競争力を高めるチャンスでもあります。
SC業界が協業で得るメリットと、乗り越えるべき課題
メリット
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顧客体験の革新: ライブコマースやドローンショー、顔認証システムなどにより、顧客に新たな感動と利便性を提供し、集客力とリピート率を高めます。
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運営効率の向上とコスト削減: 物流最適化や廃棄物処理の効率化、DX推進により、人件費や運用コストを削減し、生産性を向上させます。
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競争力の強化とブランド価値向上: 他の商業施設との差別化を図り、先進的なイメージを確立。SDGsへの貢献は企業イメージ向上にも繋がります。
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新たな収益源の確保: 未活用資源の活用や訪日客向けサービス強化により、多様な収益機会を創出します。
デメリット・課題
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導入コストと投資対効果: 新しい技術やサービス導入には初期投資が伴い、その効果を正確に測定し、ROIを明確にする必要があります。
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既存システムとの連携: 既存のSC運営システムとのシームレスな連携が課題となる場合があります。
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従業員の教育・順応: 新しいサービスや技術の導入には、従業員のトレーニングと変化への順応が不可欠です。
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協業文化の醸成: 大企業とスタートアップでは文化やスピード感が異なるため、円滑なコミュニケーションと柔軟な対応が求められます。
まとめ:未来へつながるSCとスタートアップの共創
「チャレンジピッチ2026 ~NEXT SC~」は、単なるビジネスコンテストではなく、ショッピングセンター業界の未来を形作る重要な一歩です。スタートアップの柔軟な発想と技術力、そしてSCが持つ「リアルな場」の強みが融合することで、これまでにない価値が生まれることでしょう。
このイベントは、SC業界のDX推進、生産性向上、そして新たな顧客体験の創出を加速させるための、まさに「未来への投資」と言えます。ぜひ、この機会にSCビジネスフェアへ足を運び、未来のSCを体感してみてはいかがでしょうか。
イベントの詳細はこちらからご確認ください。
New Commerce Ventures株式会社のWebサイトもご覧ください。
