築古賃貸物件が抱える課題と新たな解決策
日本には、築年数の古い賃貸物件が数多く存在します。これらの中には、間取りや設備、断熱性能などが現代のライフスタイルに合致せず、空室リスクや維持管理コストの増大といった課題を抱える物件も少なくありません。一方で、カーボンニュートラル実現に向けた社会全体の動きの中で、不動産業界においても環境配慮や社会的価値の創出への関心が高まっています。
このような背景の中、株式会社リビタと株式会社日本政策投資銀行(DBJ)、DBJアセットマネジメント株式会社(DBJAM)からなるDBJグループは、環境配慮型リノベーションファンドの第2号を2025年12月15日に組成し、運用を開始しました。これは、築古賃貸物件の価値を向上させ、持続可能な社会の実現を目指す画期的な取り組みです。
環境配慮型リノベーションファンドとは?
このファンドは、老朽化した賃貸物件を証券化し、環境認証等の取得を目指したバリューアップ改修を行うことで、物件の市場再流通を目的としています。リノベーションノウハウを持つリビタと、金融・不動産のチャネルや独自の環境認証を持つDBJグループが協業することで、物件の取得からバリューアップ、そして市場再流通までを一貫して推進します。
具体的には、リビタが「リノベーションマネージャー」としてファンド保有物件のリノベーション企画支援を継続的に行います。これにより、効率的なエネルギー削減や現代の賃貸ニーズに応える住空間へのバリューアップが可能となり、環境・経済の両面で不動産価値の向上を目指します。

ファンドの概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 組成日 | 2025年12月15日 |
| 名称 | 合同会社GReC2号 |
| 対象資産 | PATH駒込・PATH浅草 |
| 出資者 | 株式会社日本政策投資銀行・株式会社リビタ |
| アセットマネージャー | DBJアセットマネジメント株式会社 |
| リノベーションマネージャー | 株式会社リビタ |

この取り組みで解決できる課題と導入メリット
不動産オーナーや投資家にとって、このファンドは多くのメリットをもたらします。
1. コスト削減と生産性向上
築古物件は、老朽化による修繕費の増加や、現代のニーズに合わないことによる空室率の上昇が懸念されます。このファンドを活用したリノベーションにより、物件の魅力を高め、空室期間の短縮や賃料アップが見込めます。リビタの持つ豊富なリノベーション実績(69棟の一棟リノベーション事業)を活かすことで、専門的なノウハウを外部に依頼する外注費を削減しつつ、効率的かつ質の高い改修を実現し、不動産運用の生産性向上につながります。
2. 競争力強化とブランド価値向上
環境配慮型リノベーションは、物件の競争力を飛躍的に高めます。第1号ファンドの保有物件「PATH仲六郷」が「DBJ Green Building認証」を取得したように、環境性能が評価されることで、市場での差別化が図れます。これは、社会的責任を重視する現代の入居者や投資家にとって大きな魅力となり、物件のブランド価値向上に直結します。
3. 持続可能な社会への貢献(ESG投資の実現)
環境配慮型リノベーションは、単なる物件の改修に留まらず、社会全体のカーボンニュートラル実現に貢献するESG投資の一環です。既存ストックを有効活用し、良質な住宅として社会に供給し続けることは、持続可能な社会づくりに不可欠な要素です。投資家は、経済的リターンだけでなく、環境・社会貢献という新たな価値を追求することができます。
導入事例:築古物件が新たな価値を創造
PATH仲六郷(第1号ファンド保有物件)
2024年7月に組成された第1号ファンドでは、老朽化した賃貸物件のリノベーションを推進し、環境配慮型不動産として社会へ普及させる取り組みを進めてきました。その成果の一つとして、「PATH仲六郷」が「DBJ Green Building認証」を取得しました。これは、環境と社会への配慮がなされた不動産を評価する認証制度であり、物件のサステナビリティが客観的に認められた成功事例と言えるでしょう。
PATH駒込・PATH浅草(第2号ファンド対象物件)
第2号ファンドの対象となるのは、リビタのリノベーション賃貸マンション『PATH』シリーズの「PATH駒込」(築37年)と「PATH浅草」(築38年)です。これらの物件も、リビタが一貫して企画・募集・マネジメントを行い、バリューアップを実現しました。

共用部や空室の一部をリノベーションすることで、現代の賃貸ニーズに合わせた住まいへと再生されています。築年数の古い物件であっても、デザイン性や機能性を高めることで、入居者に選ばれる魅力的な住空間へと生まれ変わる可能性を示しています。



『PATH』シリーズの物件詳細は、以下の公式HPでご覧いただけます。
スタートアップが学べること:社会課題解決とビジネスの融合
このリノベーションファンドの取り組みは、スタートアップ企業にとっても多くの学びがあります。
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社会課題解決型ビジネスの可能性: 築古物件の有効活用という社会課題に対し、リノベーションと金融を組み合わせたビジネスモデルを構築しています。自社の技術やサービスがどのような社会課題を解決できるか、改めて見つめ直すきっかけとなるでしょう。
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パートナーシップの重要性: リビタの不動産ノウハウとDBJグループの金融・環境認証ノウハウが融合することで、単独では成し得ない大きな成果を生み出しています。異業種連携やアライアンスの戦略的な構築は、スタートアップの成長を加速させる鍵となります。
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ESG視点の導入: 環境や社会、ガバナンスへの配慮は、もはや大企業だけのテーマではありません。スタートアップも創業期からESG視点を取り入れることで、企業価値を高め、社会からの共感と信頼を得ることができます。
多角的分析:不動産市場における意義と社会的なインパクト
環境配慮型リノベーションファンドは、単なる投資機会の創出にとどまらず、日本の不動産市場と社会全体に大きなインパクトを与える可能性を秘めています。
不動産価値の新たな創出
これまで「築古」というだけで敬遠されがちだった物件に、環境性能と現代的なデザインという新たな価値を付加することで、不動産市場に多様な選択肢を提供します。これにより、物件の長寿命化が促進され、スクラップ&ビルドに頼らない持続可能な都市開発に貢献します。
地域活性化への貢献
老朽化した賃貸物件が再生されることで、その地域の住環境が向上し、新たな住民を呼び込むきっかけにもなり得ます。特に、駅近など立地条件が良いにもかかわらず、物件の古さから魅力を失っていたエリアにとって、この取り組みは地域活性化の起爆剤となるでしょう。
まとめ:持続可能な未来へ、一歩踏み出すために
リビタとDBJグループが組成した環境配慮型リノベーションファンド第2号は、築古賃貸物件が抱える課題を解決し、環境と経済の両面で持続可能な価値を創造する画期的な取り組みです。
不動産オーナーの皆様にとっては、物件価値の向上、コスト削減、競争力強化という具体的なメリットが期待できます。また、投資家にとっては、経済的リターンとESG投資による社会貢献を両立できる魅力的な機会となるでしょう。
このファンドは、単なる投資の枠を超え、「良質な住まいを次世代へ引き継ぐ」という、私たち共通の願いを実現するための一歩です。持続可能な未来への貢献を検討されているなら、ぜひこの環境配慮型リノベーションファンドに注目してみてください。
