- はじめに:BtoB中小企業が受賞!「グリーン購入大賞」の栄誉に輝く雪ヶ谷化学工業
- グリーン購入大賞とは?
- 中小企業が抱えるサステナブル調達の課題と雪ヶ谷化学工業の挑戦
- 「雪ヶ谷サステナブルチャレンジ2030」の目標
- 具体的な取り組み:環境と人権に配慮した「サステナブルスポンジ」シリーズ
- フェアトレード天然ゴムの推進
- バイオポリオールの活用
- 導入後のメリット:競争力強化と社会貢献の両立
- ブランド価値向上と新規顧客獲得
- サプライチェーン全体の持続可能性向上
- 従業員のエンゲージメント向上と生産性向上
- スタートアップ・中小企業が学べること:成功への多角的アプローチ
- 全社的なSDGsへのコミットメント
- 具体的な目標設定と透明性
- ステークホルダーとの連携・協働
- 共有可能な仕組みの構築
- サステナブル経営の未来:導入のメリット・デメリット
- メリット
- デメリット
- まとめ:持続可能な未来へ、共に歩むBtoBモデル
- 関連情報
はじめに:BtoB中小企業が受賞!「グリーン購入大賞」の栄誉に輝く雪ヶ谷化学工業
「サステナブル経営」という言葉が浸透する現代において、特にBtoBの中小企業にとっては、その具体的な実践は大きな課題となりがちです。しかし、そんな中で、化粧スポンジメーカーである雪ヶ谷化学工業株式会社が、持続可能な調達の先進的事例を表彰するグリーン購入ネットワーク(GPN)主催の「第26回グリーン購入大賞」において、中小企業部門で大賞を受賞しました。

この受賞は、ワークショップを通じた全社一丸でのSDGsへの取り組み、「雪ヶ谷サステナブルチャレンジ2030」という具体的な目標設定、そして環境と人権に配慮したサステナブルスポンジシリーズの開発などが総合的に評価された結果です。

グリーン購入大賞とは?
グリーン購入大賞は、環境や社会に配慮した製品やサービスを優先的に購入する「グリーン購入」の普及・拡大に取り組む団体を表彰する制度として、1998年に創設されました。第26回では、持続可能な調達を通じたSDGs目標達成、特に脱炭素社会やサーキュラーエコノミーの実現に寄与する取り組みが募集され、審査が行われました。
この賞は、単に環境に優しい製品を作るだけでなく、その調達プロセス全体において持続可能性を追求する企業姿勢が問われるものです。雪ヶ谷化学工業の受賞は、中小企業でも大規模な取り組みが可能であることを証明する、希望に満ちた事例と言えるでしょう。
中小企業が抱えるサステナブル調達の課題と雪ヶ谷化学工業の挑戦
多くのBtoB中小企業にとって、サステナブル経営への移行は、リソースやノウハウの制約から容易ではありません。特に、サプライチェーン全体での環境・人権配慮は、多岐にわたるステークホルダーとの連携が不可欠であり、複雑な課題を伴います。
雪ヶ谷化学工業もまた、BtoB企業として、サステナブル経営を進める上で様々なステークホルダーとの連携、協働が不可欠であると認識していました。そこで同社は、「B to B to The Future 〜ものづくり中小企業のサステナブルチャレンジ〜」を掲げ、全社を巻き込んだ具体的な行動を開始しました。

「雪ヶ谷サステナブルチャレンジ2030」の目標
同社は、2030年に向けた5つの大きな目標を掲げ、継続的な取り組みを進めています。これらの目標は、環境と社会の両面に深く配慮したものであり、具体的な数値目標が設定されている点が特徴です。
- CO2排出量実質ゼロ(スコープ1、スコープ2): 脱炭素社会への貢献を目指し、事業活動におけるCO2排出量を実質ゼロにする。これは、エネルギーコスト削減にも繋がり、長期的な生産性向上に寄与します。
- 再生可能原材料比率50%: 石油由来原材料を植物由来等の再生可能原材料に転換することで、環境負荷を低減。これは、原材料調達におけるリスク分散や、将来的なコスト変動への対応力強化にも繋がるでしょう。
- 廃棄物50%削減(調達~納入の全工程): 生産プロセス全体の効率化と資源の有効活用を推進。廃棄物削減は、直接的なコスト削減だけでなく、環境規制遵守による競争力強化にも貢献します。
- 女性管理職割合50%: 2030年までに女性管理職の割合を50%に引き上げ、多様な人材が活躍できる職場環境を整備。これは、組織のイノベーション促進や従業員満足度向上に繋がり、間接的な生産性向上効果が期待できます。
- フェアトレード天然ゴム100%: 日本で流通する天然ゴム全てをフェアトレードにすることを目指し、人権に配慮した調達を徹底。これは、サプライチェーンにおける倫理的リスクの低減と、企業の社会的責任(CSR)強化に大きく貢献します。
これらの目標は、同社が目指す持続可能な未来への強い意志を示すものであり、他の企業にとっても具体的なベンチマークとなるでしょう。
具体的な取り組み:環境と人権に配慮した「サステナブルスポンジ」シリーズ
雪ヶ谷化学工業は、掲げた目標を実現するために、製品開発においても革新的なアプローチを取り入れています。その中心となるのが、環境と人権に配慮した「サステナブルスポンジ」シリーズです。
フェアトレード天然ゴムの推進
天然ゴムの生産過程には、強制労働や不当取引といった人権問題の懸念が指摘されることがあります。同社は、この問題に対し積極的に向き合い、日本の天然ゴム製品を全てフェアトレード化することを目標に掲げました。
自社監査により、同社が調達する天然ゴムがフェアトレードであることを証明・表明し、さらにその条件を他社も利用できる「フェアトレード天然ゴムマーク」を作成・公開しています。これは、業界全体の持続可能性向上に貢献する、まさしく「競争力強化」と「社会貢献」を両立する取り組みと言えるでしょう。このマークは、消費者が安心して製品を選べる基準を提供し、ひいてはフェアトレード市場全体の拡大を後押しする可能性を秘めています。

バイオポリオールの活用
ウレタンスポンジの主要原料の一つであるバイオポリオールについても、同社は持続可能な調達を推進しています。環境及び社会と人権に配慮したヒマ農業を推進するインドのSustainable Castor Association加盟企業からの調達を促進。
さらに、バイオマスプラ製品の啓蒙・普及に寄与できるよう、他社が自由に使用可能なロゴタイプも制作・公開しています。このような取り組みは、自社の製品競争力を高めるだけでなく、バイオマスプラスチック市場全体の成長を促し、脱炭素社会の実現に貢献するものです。外注費削減やコスト削減の観点からは、持続可能なサプライヤーとの連携強化は、長期的に安定した調達とサプライチェーンリスクの低減に繋がります。

導入後のメリット:競争力強化と社会貢献の両立
雪ヶ谷化学工業の事例は、サステナブル経営が単なるコストではなく、むしろ企業価値を高め、持続的な成長を可能にする戦略であることを示しています。
ブランド価値向上と新規顧客獲得
環境意識の高い消費者や企業からの評価が高まり、ブランドイメージが向上します。これは、既存顧客との関係強化だけでなく、新たなビジネスチャンスの創出にも繋がります。特にBtoBにおいては、取引先企業も自社のサプライチェーンにおけるサステナビリティを重視する傾向にあるため、雪ヶ谷化学工業のような取り組みは、新たなパートナーシップを築く上で強力な武器となるでしょう。
サプライチェーン全体の持続可能性向上
フェアトレード天然ゴムやバイオポリオールの取り組みのように、サプライヤーとの協働を通じてサプライチェーン全体の透明性と持続可能性を高めることができます。これにより、将来的な環境規制強化への対応や、原材料調達におけるリスク低減に繋がり、安定した生産性向上に貢献します。
従業員のエンゲージメント向上と生産性向上
SDGsへの全社的な取り組みは、従業員のモチベーション向上にも繋がります。社会貢献を実感できる仕事は、従業員のエンゲージメントを高め、結果として離職率の低下や生産性の向上に寄与します。多様な人材が活躍できる職場環境の整備は、イノベーションの促進にも繋がるでしょう。
スタートアップ・中小企業が学べること:成功への多角的アプローチ
雪ヶ谷化学工業の事例は、規模の大小に関わらず、すべての企業がサステナブル経営に取り組む上で貴重な示唆を与えてくれます。
全社的なSDGsへのコミットメント
ワークショップなどを通じた全社一丸での取り組みは、経営層だけでなく従業員一人ひとりが当事者意識を持つ上で不可欠です。トップダウンとボトムアップの両方からのアプローチが、組織全体の変革を加速させます。
具体的な目標設定と透明性
「雪ヶ谷サステナブルチャレンジ2030」のように、CO2排出量削減や再生可能原材料比率向上など、具体的で測定可能な目標を設定することで、進捗を可視化し、改善サイクルを回すことができます。また、その達成状況を公開する透明性も重要です。
ステークホルダーとの連携・協働
BtoB企業である雪ヶ谷化学工業は、サステナブル経営を進める上で様々なステークホルダー(取引先、サプライヤー、消費者、地域社会など)との連携・協働が不可欠であることを明確にしています。単独で全てを解決しようとするのではなく、パートナーシップを築くことが成功の鍵となります。
共有可能な仕組みの構築
フェアトレード天然ゴムマークやバイオマスプラ製品のロゴタイプを他社も利用できるように公開したことは、同社が単なる自社の利益追求に留まらず、業界全体の持続可能性向上に貢献しようとする強い意志を示しています。これは、企業の社会的責任を果たすだけでなく、その分野でのリーダーシップを発揮し、競争優位性を確立する賢明な戦略と言えるでしょう。
サステナブル経営の未来:導入のメリット・デメリット
サステナブル経営は、現代のビジネスにおいて避けて通れないテーマです。雪ヶ谷化学工業の事例からもわかるように、多くのメリットがある一方で、導入にはいくつかの考慮すべき点もあります。
メリット
-
企業のレピュテーション向上: 環境や社会に配慮した企業として認知され、ブランドイメージが向上します。
-
新規事業機会の創出: サステナブルな製品やサービスへの需要増加に対応し、新たな市場を開拓できます。
-
リスクマネジメントの強化: 環境規制や社会的な批判のリスクを低減し、サプライチェーンの安定性を高めます。
-
コスト削減: 省エネ、廃棄物削減、資源効率の向上により、長期的な運営コストが削減される可能性があります。
-
優秀な人材の獲得・定着: 社会貢献意識の高い人材にとって魅力的な企業となり、採用力や従業員エンゲージメントが向上します。
デメリット
-
初期投資: 持続可能な技術や設備の導入、サプライチェーンの見直しには、初期費用がかかる場合があります。
-
サプライヤー選定の複雑化: 環境・人権基準を満たすサプライヤーを見つける手間やコストが増える可能性があります。
-
短期的なコスト増加: フェアトレード製品や再生可能原材料は、従来の原材料よりも価格が高い場合があります。しかし、これは長期的なブランド価値向上やリスク低減で相殺されると期待できます。
-
評価の難しさ: サステナブルな取り組みの具体的な効果やROI(投資収益率)を測定し、社内外に説明することが難しい場合があります。
これらのデメリットは、適切な戦略と計画、そしてステークホルダーとの連携によって克服できるものと考えることができます。
まとめ:持続可能な未来へ、共に歩むBtoBモデル
雪ヶ谷化学工業の「第26回グリーン購入大賞」受賞は、BtoB中小企業が持続可能な調達と経営を通じて、いかに企業価値を高め、社会に貢献できるかを示す素晴らしい事例です。全社的なSDGsへのコミットメント、具体的な目標設定、そしてステークホルダーとの積極的な連携は、これからの時代を生き抜くための重要な戦略となります。
同社の取り組みは、単に自社の製品を環境配慮型にするだけでなく、業界全体の変革を促す共有可能な仕組みを提供している点で、特に注目に値します。この成功事例を参考に、多くの企業がサステナブル経営への一歩を踏み出し、より良い未来を共に築いていくことを期待します。
関連情報
-
雪ヶ谷化学工業株式会社:https://www.yukilon.co.jp
-
雪ヶ谷化学工業株式会社 SDGsページ:https://www.yukilon.co.jp/sdgs/
-
雪ヶ谷サステナブルチャレンジ2030:https://www.yukilon.co.jp/sdgs/sustainable
-
グリーン購入ネットワーク(GPN):https://www.gpn.jp/
-
雪ヶ谷化学工業 公式YouTubeチャンネル:

https://www.youtube.com/@yukilon_yukigaya
