ブラザー工業と名古屋大学、未来を拓く「共創開発研究部門」を設置
現代社会において、企業が持続的に成長し、新たな価値を創造していくためには、自社だけの力だけでは限界があります。特に、技術革新のスピードが加速する中で、大学が持つ最先端の知見や研究力と、企業が持つ事業化のノウハウが結びつく「産学連携」は、まさに未来を切り拓く鍵と言えるでしょう。
この度、ブラザー工業株式会社と国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学が、産学協同研究部門「ブラザー工業共創開発研究部門」を設置しました。この取り組みは、単なる共同研究にとどまらず、事業ポートフォリオの変革をも視野に入れた、より戦略的な共創を目指すものです。
なぜ今、産学連携が重要なのか?企業が抱える課題解決への道
多くの企業が共通して抱える課題として、「新規事業の創出」「既存事業の競争力強化」「研究開発コストの最適化」などが挙げられます。特に、専門性の高い研究開発をすべて自社で行うには、莫大な時間、人材、そして費用がかかります。ここに、大学との連携が大きな解決策となり得ます。
ブラザー工業共創開発研究部門は、名古屋大学が設けている産学協同研究講座・産学協同研究部門制度に基づき設置されました。この制度は、企業から人材を受け入れ、教育研究の進展と社会貢献を図ることを目的としており、産学双方にとってメリットの大きい仕組みです。

この連携がもたらす具体的なメリット
- 新規事業創出・育成の加速:ブラザー工業は、2025年度から2027年度までの中期戦略「CS B2027」でマテリアリティの解決に関わる事業テーマを創出し、新規事業として育成することを目標に掲げています。大学の基礎研究力と企業の事業化ノウハウが融合することで、これまでにない画期的な新技術や新テーマの創出が期待されます。これにより、新たな市場を開拓し、企業の競争力強化に直結するでしょう。
- 既存事業の技術課題解決と生産性向上:既存事業における技術的な課題も、大学の専門的な知見を活用することで、より効率的かつ革新的な解決策が見つかる可能性があります。例えば、製造プロセスの改善や新素材の開発などにより、生産性の向上やコスト削減に繋がることも期待されます。
- 優秀な人材の育成と確保:企業の人材が大学の研究環境に身を置くことで、最先端の知識や研究手法を習得し、自社のイノベーションを牽引する人材へと成長できます。また、大学側も企業のリアルな課題に触れることで、より実践的な教育研究が可能となり、未来を担う優秀な人材を育成する機会となります。
- 外注費の最適化:高度な専門知識が必要な研究開発を外部機関に委託する場合、多額の外注費が発生することがあります。このような産学連携を通じて、必要な研究開発を内部化・共同化することで、長期的に見て研究開発コストの最適化に繋がる可能性も秘めています。
研究部門の概要
| 研究部門名 | ブラザー工業共創開発研究部門 |
|---|---|
| 主な研究テーマ | 新規事業領域の新技術共創 新規事業領域の新テーマ創出 |
| 設置場所 | 名古屋大学東山キャンパス ナショナルイノベーションコンプレックス(NIC)内 |
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産学研究講座についてのページ: https://www.aip.nagoya-u.ac.jp/sanren/industry-joint/lecture
スタートアップが学ぶべき「共創」のヒント
このブラザー工業と名古屋大学の事例は、大企業や研究機関だけでなく、スタートアップ企業にとっても多くの示唆を与えてくれます。
スタートアップは、限られたリソースの中でいかにイノベーションを起こすかが問われます。その際に、既存の技術や知見を組み合わせる「オープンイノベーション」の考え方は非常に重要です。今回の事例から、スタートアップは以下の点を学ぶことができるでしょう。
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外部リソースの活用: 自社にない専門知識や設備を持つ大学や研究機関との連携は、研究開発のスピードアップやコスト効率化に繋がります。
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エコシステムの理解: 大企業と大学がどのように連携し、イノベーションのエコシステムを構築しているかを理解することで、将来的な提携や共同開発の可能性を探るヒントになります。
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社会課題への意識: ブラザー工業が中期戦略で「マテリアリティの解決」を目標に掲げているように、社会課題を解決する視点を持つことが、持続可能なビジネスモデルを構築する上で不可欠です。
期待される効果と潜在的な課題
「ブラザー工業共創開発研究部門」の設置は、ブラザー工業の事業変革、名古屋大学の教育研究の発展、そしてひいては社会貢献へと繋がる、非常に期待の大きい取り組みです。
期待される効果
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画期的な新技術や新規事業の創出
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既存事業の競争力強化と生産性向上
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企業のイノベーション文化の醸成
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次世代を担う研究人材の育成
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地域経済への貢献と社会課題解決への貢献
潜在的な課題
一方で、産学連携には、研究成果の実用化までの道のりや、スピード感の維持、知財の取り扱いなど、乗り越えるべき課題も存在します。しかし、明確な目標設定と、相互の信頼に基づく密なコミュニケーションによって、これらの課題はきっと乗り越えられ、大きな成功へと繋がるでしょう。
まとめ:未来を共創する、その一歩を踏み出そう
ブラザー工業と名古屋大学による「ブラザー工業共創開発研究部門」の設置は、まさに未来を共創する挑戦的な一歩です。この取り組みから生まれるであろう新たな技術や価値は、私たちの社会をより豊かにし、多くの企業、特に未来を担うスタートアップにとって、大きな希望と学びの機会となることでしょう。
貴社も、もし新たな技術開発や事業創出に課題を感じているなら、産学連携という選択肢を真剣に検討してみてはいかがでしょうか。大学の持つ無限の可能性と、企業の情熱が結びつくことで、きっと想像以上の未来が拓けるはずです。
