製造業の常識を覆す「AddMill」とは?高精度樹脂部品で変わる未来
現代の製造業において、半導体装置、EV・HEV、自動車、医療機器など多くの分野で金属部品から樹脂部品への置き換えが加速しています。しかし、この移行には課題も伴います。特に、PEEKやPC、PAといった高価なエンジニアリングプラスチックの切削加工では、材料ロス、切子(きりこ)の発生、そして長時間の加工が必要となり、コストと生産性の両面で頭を悩ませる企業も少なくありません。
こうした課題を解決するために登場したのが、株式会社ExtraBoldが考案した新工法「AddMill(アッドミル)」です。AddMillは、3Dプリントと切削加工を組み合わせたハイブリッドプロセス(Addive Manufacturing + Milling)であり、デジタル製造の新たな価値を提示します。

AddMillの最大の特徴は、「必要量の材料だけで粗加工形状を高速3Dプリントし、既存のCNC(コンピュータ数値制御)で精密仕上げを行う」という新しいアプローチです。これにより、従来の切削加工が抱えていた様々な問題を解消します。
AddMillがもたらす革新的なメリット:生産性向上、コスト削減、そして競争力強化
AddMillは、導入を検討する企業に以下のような具体的なメリットをもたらします。
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高効率加工: 粗形状を3Dプリントすることで、切削加工の量を大幅に削減できます。これにより、加工時間の短縮に直結し、生産性が飛躍的に向上します。
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切子の低減: 従来の切削加工で大量に発生していた切子を最小限に抑え、廃材の発生を抑制します。
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材料ロス最小化: 板材から削り出すのではなく、必要な分だけの材料を投入するため、材料ロスを大幅に削減できます。高価なエンジニアリングプラスチックを使用する場合、このメリットは特に大きいです。
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リサイクル可能: プリント端材や切削残渣を再ペレット化できるため、資源の有効活用と環境負荷の低減に貢献します。
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コストダウン: 加工時間の短縮と材料の最適化により、総合的な製造コストを削減できます。外注費の削減にも繋がるでしょう。
例えば、従来の切削加工で約8時間かかっていた部品が、AddMillを活用すればわずか約2時間で完了するケースもあるとされています。これは、製造現場における生産性向上とコスト削減の大きな可能性を示しており、企業の競争力強化に大きく貢献する技術と言えるでしょう。

こんな部品も!AddMillの幅広い応用範囲と金型レス意匠
AddMillは、高精度な部品製造だけでなく、自動車の内外装パネル、バイクフェアリング、大型ハウジング、空力パーツ、意匠パネル、家具や什器、住宅や店舗の内装といった中大物樹脂部品にも有効です。金型レスで試作から限定量産まで対応できるため、軽量化と高意匠化の両立を実現し、デザインの自由度を高めます。
さらに、ExtraBoldが商標を持つ「デジタルシボ®(D3テクスチャー®)」技術をAddMill部品に適用することで、金型を使用せずに高度な意匠表現が可能になります。これにより、自動車内装のデザイン検証や質感評価のリードタイムを短縮し、開発プロセス全体の効率化が期待できます。

スタートアップがExtraBoldから学べること
ExtraBoldの「AddMill」は、単なる技術革新に留まりません。「Green Creative™」を掲げ、再生素材やバイオ素材を活用した循環型社会の実現を目指す姿勢は、現代のビジネスにおいて非常に重要な示唆を与えます。
スタートアップ企業は、ExtraBoldの事例から、以下の点を学ぶことができるでしょう。
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明確な課題設定: 製造業が抱える具体的な課題(金属から樹脂への移行、コスト、廃棄物)に焦点を当て、その解決策として独自の技術を開発しています。
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ハイブリッドなアプローチ: 既存技術(切削加工)と新技術(3Dプリント)を組み合わせることで、それぞれの強みを最大限に引き出し、新たな価値を創造しています。
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サステナビリティへのコミットメント: 環境負荷低減を事業の中核に据えることで、社会的価値と経済的価値の両立を目指しています。これは、ESG投資が注目される現代において、企業の競争力を高める重要な要素となります。
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知的財産の活用: 「デジタルシボ®」のような独自の技術を商標登録することで、明確な差別化を図り、市場での優位性を確立しています。
導入を検討する前に知っておきたいこと:メリットとデメリット
AddMill導入のメリット
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生産性の大幅向上: 部品製造にかかる時間が大幅に短縮されるため、生産リードタイムの短縮と生産能力の向上に直結します。
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コスト競争力の強化: 材料ロスや加工時間の削減、外注費の抑制により、製品の製造コストを低減し、市場での価格競争力を高めます。
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環境負荷の低減: 再生素材やバイオ素材の活用、廃棄物の削減は、企業の環境への取り組みを強化し、ブランドイメージ向上にも貢献します。
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デザインの自由度向上: 金型レスでの製造や「デジタルシボ®」の活用により、より複雑で高意匠なデザインを迅速に具現化できるようになります。
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迅速な試作・開発: 金型製作が不要なため、新製品の開発サイクルを大幅に短縮し、市場投入までの時間を早めることができます。
AddMill導入のデメリット
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初期投資: 新しい設備(大型3Dプリンターや関連システム)を導入する場合、一定の初期投資が必要になる可能性があります。ただし、既存のCNCを活かせる点はメリットです。
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新しいプロセスの学習曲線: 従業員がAddMillプロセスを習得し、最適に運用するためのトレーニングや時間が必要になるかもしれません。
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材料の選択肢: 現在利用している特定の材料がAddMillプロセスに適しているか、または代替可能な材料があるかを確認する必要があります。
まとめ:未来の製造業を切り開くAddMill
株式会社ExtraBoldの「AddMill」は、製造業が抱える「コスト」「時間」「廃棄物」「デザインの制約」といった多岐にわたる課題に対し、画期的な解決策を提示する新工法です。生産性の向上、コスト削減、環境負荷の低減、そしてデザインの自由度向上といった多角的なメリットは、導入を検討する企業にとって大きな魅力となるでしょう。
この革新的な技術を直接体験できる機会が「新ものづくり・新サービス展 2025」です。ExtraBoldは、2025年12月16日(火)から12月18日(木)まで東京ビッグサイトで開催されるこの展示会に出展します。会場では、AddMillによる高精度な樹脂部品サンプルや、大型3Dプリント什器で構成された空間展示を通じて、デジタル製造の新しい価値を体感できるでしょう。
ぜひ会場に足を運び、ExtraBoldの描く「Green Creative™」なものづくりの未来に触れてみてください。
【開催概要】
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展示会名: 新ものづくり・新サービス展 2025
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会期: 2025年12月16日(火)〜12月18日(木)
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会場: 東京ビッグサイト 東7・8ホール
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出展場所: N48
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主催: 全国中小企業団体中央会
【株式会社ExtraBoldについて】
株式会社ExtraBoldは、大型ペレット式3Dプリンター「EXF-12」、協働ロボット型3Dプリンター「REX-BUTLER」、ハイブリッドAMプロセス「AddMill」などを開発し、環境素材とデジタル製造によって循環型社会の実現を目指すスタートアップです。アップサイクル素材・バイオ素材を活用した新しいものづくりを推進し、“Green Creative™”を掲げて事業を展開しています。
- 公式ウェブサイト: https://www.extbold.com/
