従来の常識を覆す、FUJIの挑戦
これまでの極小部品の主流は0201M(0.25×0.125mm)サイズでしたが、限られた基板スペースにより多くの機能を詰め込むには、いずれ限界が訪れます。そこで業界では、さらに小型の次世代規格である016008M部品の開発が進められていました。この016008M部品は、0201Mサイズに比べて実装面積を約半分にまで削減できるため、飛躍的な高密度回路設計が可能になります。
そんな中、ロボットメーカーのFUJIは、この016008M(0.16×0.08mm)という肉眼ではほとんど見えないほどの極小部品の基板実装に、同社の電子部品実装ロボット『NXTR』を用いて世界で初めて*成功しました。この成果は、2026年1月15日時点のFUJIの調査によるものです。

驚きの4つのキー制御技術が実現する超精密実装
FUJIがこの画期的な実装を可能にしたのは、長年培ってきた高速・高精度実装技術をさらに進化させた4つのキー制御技術にあります。
- 部品ハンドリング姿勢認識: 極小部品のわずかな傾きや姿勢をリアルタイムで検出し、最適な状態でハンドリングします。
- 高精度部品ピックアップ制御: 吸着時のずれや静電気の影響を徹底的に抑制し、安定した部品取り上げを実現します。
- 搭載荷重スーパーファイン制御: 極小部品にダメージを与えないよう、ナノレベルでの精密な荷重制御を行います。
- 超高精度搭載位置決め制御: ナノレベルの位置補正により、業界最高水準の搭載精度を誇ります。
これらの技術は、まるで熟練の職人が行うような繊細な作業を、ロボットが高速かつ安定して行うことを可能にしました。

導入のメリット・デメリット:あなたのビジネスに何をもたらすか
メリット:未来を拓くビジネスチャンス
この技術の導入は、電子機器メーカーにとって計り知れないメリットをもたらします。
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生産性向上とコスト削減: 基板スペースを約半分にできるため、より多くの機能を搭載しながら製品の小型化・軽量化を実現できます。これは材料費や製造プロセスの効率化にも繋がり、結果としてコスト削減に貢献します。
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競争力強化: 他社に先駆けて016008M部品を実装できることは、市場における圧倒的な競争優位性を確立します。特にスマートフォン、ウェアラブル機器、医療・ヘルスケアデバイスといった分野で、革新的な新製品開発を加速させるでしょう。
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新しい製品カテゴリの創出: これまで技術的に不可能だった超小型・高機能デバイスの開発が可能になり、全く新しい市場や製品カテゴリを創出する可能性を秘めています。
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外注費削減: 高度な実装技術を内製化することで、外部への依存を減らし、品質管理の向上と外注コストの削減が期待できます。
デメリット・課題:トータルソリューションへの投資
一方で、この技術の導入には考慮すべき点もあります。
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プロセス全体の最適化: 016008Mサイズ以下の部品実装は、実装ロボットの技術だけでは完結しません。基板設計、はんだ材料、ステンシルマスク、リフロー、検査といった実装に関わるプロセス全体を高度に最適化する必要があります。これは初期投資や既存プロセスの見直しを伴う可能性があり、パートナー企業との連携が不可欠となります。
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技術習得と人材育成: 新しい極小部品実装技術を最大限に活用するためには、関連する技術の習得や専門人材の育成が求められます。
スタートアップが学ぶべきこと:エコシステム構築の重要性
この事例から、スタートアップ企業が学ぶべき重要な教訓があります。
- 未来を見据えた技術開発: FUJIは「エッジAI」時代の到来を予測し、そのニーズに応えるべく次世代技術を開発しました。スタートアップも、単なる現状維持ではなく、数年先の市場トレンドや社会の変化を読み解き、先手を打つ技術開発に注力すべきです。
- トータルソリューションの視点: 単一の優れた技術だけでなく、その技術が最大限に活かされるための周辺プロセスや材料まで含めた「トータルソリューション」を構築する視点が重要です。FUJIがパートナー企業との連携を深めているのは、まさにこのためです。
- 協業による価値創出: 自社だけでは解決できない課題も、他社との強固な連携によって乗り越えられます。オープンイノベーションの精神で、積極的にパートナーシップを築くことが、新たな価値創出の鍵となります。
ネプコン ジャパン2026で未来を体験
この革新的な016008M部品の実装技術は、2026年1月21日より東京ビッグサイトで開催される『第40回 ネプコン ジャパン ‐エレクトロニクス 開発・実装展‐』において、FUJIのブースで参考展示されます。実際にその技術に触れ、未来の可能性を感じる絶好の機会となるでしょう。
まとめ:極小部品が拓く、無限の可能性
FUJIの016008M極小部品実装技術の成功は、単なる技術的なブレイクスルーに留まりません。これは、AI時代における電子機器の進化を加速させ、私たちの生活をより豊かにする新しいデバイスの誕生を予感させます。
もしあなたが、製品の小型化、高機能化、生産性向上、または競争力強化に課題を抱えているのであれば、この技術はきっと、その解決の糸口となるでしょう。未来を見据え、一歩踏み出す勇気を持つ企業に、新たなビジネスチャンスが待っています。
