忙しい毎日でも「ついで」に健康チェック!商業施設で実現する新しい健診スタイル
「健康診断に行きたいけど、時間がない」「病院は敷居が高い…」そう感じている方は少なくないでしょう。特に、家事や育児、仕事に追われる被扶養者の方々にとって、定期的な健康診断は後回しになりがちです。しかし、そんな悩みを解決する画期的な取り組みが、神奈川県小田原市の商業施設「ダイナシティ」で実施されました。
ウィーメックス株式会社が富士フイルムグループ健康保険組合と連携し、2025年11月8日(土)に開催した「生活導線を活用した健康診断」は、日常のお買い物ついでに手軽に健診を受けられるという、まさに目からウロコの発想です。この新しい健診スタイルが、多忙な方々の健康をどのようにサポートし、企業や社会にどのような価値をもたらすのか、詳しく見ていきましょう。

健診に行けない…多忙な被扶養者が抱える深い悩み
健康診断の重要性は誰もが理解しているものの、特に被扶養者の方々は、勤務先での定期健診の機会がないため、受診率が被保険者に比べて低い傾向にあります。加えて、家事・育児・パート勤務などで多忙な生活を送る中で、医療機関へ足を運ぶ時間を見つけるのは至難の業です。予約の手間、移動時間、待ち時間…これらすべてが、健診への高いハードルとなっていました。
富士フイルムグループ健康保険組合では、神奈川県小田原・西湘エリアに多くの加入者が在住しており、特に未受診者が多い40代の女性配偶者層へのアプローチが喫緊の課題でした。そこで、「日常的な生活導線上であれば、もっと気軽に受診できるのではないか」という仮説のもと、この新しい取り組みが検討・実施されたのです。
この課題解決は、単に受診率を上げるだけでなく、被扶養者の健康意識向上、ひいては家族全体の健康維持に繋がる重要な一歩となります。
健診のハードルを劇的に下げる!「生活導線を活用した健康診断」の全貌
今回の取り組みは、まさに「健診を日常の中に溶け込ませる」というコンセプトで設計されました。
実施概要
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対象者: 富士フイルムグループ健康保険組合に加入している被扶養者のうち40歳以上
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会期: 2025年11月8日(土)
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会場: 商業施設「ダイナシティ」ウエスト 4F催事場(神奈川県小田原市中里208)
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取り組み: 生活導線を活用したショッピングモールでの健康診断を実施
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内容:
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モール内での巡回レディース健診(基本健診+子宮頸がん検診+乳がん検診+胃部X線検査(任意))
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管理栄養士による野菜摂取レベルを測定する「ベジチェック®」および栄養相談会
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超音波骨量測定装置体験会
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モール内で利用可能な商品券および軽食の提供
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導入事例:驚きの成果!未受診層が「アクセスが良いから」と来場
この革新的なアプローチは、期待を上回る成果を出しました。特に注目すべきは、これまで健診受診率が課題とされていた40代の受診が最も多かった点です。その理由として、参加者の声で最も多かったのが「アクセスの良さ」でした。買い物ついでに健診を受けられる利便性が、まさに多忙な層の背中を押した形です。
健診会場のショッピングモールで同日中に買い物をされた方が9割を超えたことも、「生活導線を活用した健康診断」というコンセプトが、いかに人々の日常に寄り添っているかを物語っています。さらに、「昨年未受診者」や「過去ほぼ未受診者」の方々を中心に多くの来場があったことは、この取り組みが潜在的な健康課題を持つ層にリーチできた証拠と言えるでしょう。


参加者の声から見えてくる、心強いメリット
実際に健診を受けた方々からは、喜びの声が多数寄せられました。
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「このような生活導線上の商業施設での健診は初めて受けましたが、スピーディーに受けることができたのでとてもよかったです。」
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「自宅から近い場所で健診でき、流れもスムーズで負担が少なく良かったです。」
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「4年近く受けていなかったので、健診会場を近場に設けていただけてありがたいです。」
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「何年かぶりの健診でしたが、行きやすい場所で受診することができてとてもありがたかったです。」
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「どの場所でも親切に説明して下さり、子宮がんと乳がんの検査は女医さんで安心して受けられました。ありがとうございました。」
これらの声は、利便性の高さだけでなく、安心して受診できる環境が提供されたことへの感謝を示しています。特に、女性特有の検査で女医さんが担当したことは、受診の大きな後押しになったことでしょう。
多角的な分析:なぜこのアプローチは成功したのか?
この「生活導線を活用した健康診断」が成功した要因は、いくつかの視点から分析できます。
- 顧客中心主義: 医療機関側が受診者を待つのではなく、受診者の生活スタイルに合わせてサービスを提供する「顧客中心」の発想が根底にあります。忙しいターゲット層のニーズを深く理解し、その行動パターンに合わせた提供方法を模索した点が鍵です。
- アクセシビリティの劇的な向上: 商業施設という「日常の延長線上」に健診会場を設けたことで、場所と時間の物理的・心理的ハードルを劇的に下げました。これにより、これまで健診を諦めていた層が「ついでに」という感覚で受診できるようになりました。
- インセンティブと体験: モール内で利用可能な商品券や軽食の提供、そして「ベジチェック®」や骨量測定といった体験コンテンツは、単なる健診を超えた付加価値を提供し、参加への動機付けとなりました。これにより、健康意識の向上にも繋がったと予想されます。
- 予防医療への貢献: 受診率の向上は、病気の早期発見・早期治療に直結し、個人の健康寿命延伸だけでなく、医療費抑制という社会全体への貢献にも繋がります。特に、がん検診を含むレディース健診は、女性の健康を守る上で極めて重要です。
スタートアップが学ぶべきこと:既存の枠にとらわれないサービス設計
ウィーメックスのこの取り組みは、スタートアップ企業にとっても多くの示唆を与えます。
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潜在ニーズの深掘り: 既存のサービスが届いていない層がどこにいて、彼らがどのような不便を感じているのかを徹底的に探求することが重要です。今回のケースでは、「健診に行きたいが時間がない」という多忙な被扶養者の潜在ニーズを見事に捉えました。
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既存インフラの活用: 新たな施設を建設するのではなく、商業施設という既存の「人々の生活導線」を最大限に活用することで、コストを抑えつつ広範囲にサービスを提供できることを示しています。これは、限られたリソースで事業展開するスタートアップにとって、非常に有効な戦略です。
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顧客体験(UX)の再定義: 健診を「面倒なもの」から「日常のついでにできる便利なもの」へと顧客体験を再定義しました。サービス提供側の一方的な都合ではなく、ユーザーが「使いたい」と感じる体験設計が、サービスの普及には不可欠です。
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データに基づいた効果測定と改善: どの層が、どのような理由でサービスを利用したのかを詳細に分析し、その結果を次の改善に活かす姿勢は、アジャイル開発を行うスタートアップの基本に通じます。
導入後のメリット・デメリット:企業と個人の両面から
この「生活導線を活用した健康診断」は、多くのメリットをもたらす一方で、考慮すべき点も存在します。
メリット
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生産性向上: 従業員の家族が健康であることは、従業員自身の安心感やワークライフバランスに直結します。家族の健康維持が間接的に従業員のエンゲージメント向上や休職率低下に繋がり、企業の生産性向上に貢献すると期待できます。
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コスト削減: 早期に健康課題を発見し対処することで、病気の重症化に伴う医療費や保険給付金の増加を抑制できます。これは、健康保険組合や企業にとって、長期的な医療費コスト削減に繋がる可能性があります。
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競争力強化: 従業員とその家族の健康を積極的にサポートする企業姿勢は、従業員満足度を高め、優秀な人材の獲得・定着における企業の競争力強化に寄与します。
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外注費削減: 健診機関への一極集中を避け、商業施設などの既存スペースを活用することで、従来の健診会場設営や運営にかかる外注費を最適化し、より効率的な運営モデルを構築できる可能性を秘めています。
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個人のメリット: 健診受診率の向上、自身の健康状態への意識向上、生活習慣病やがんの早期発見、ひいてはQOL(生活の質)の向上に繋がります。
デメリット
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初期投資と調整: 新しい健診モデルの構築には、会場選定、設備導入、商業施設や医療機関との連携体制構築など、一定の初期投資と調整期間が必要です。
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施設側の協力体制: 商業施設側との緊密な連携と協力が不可欠であり、場所の確保、広報協力、来場者への配慮など、多岐にわたる調整が求められます。
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プライバシーへの配慮: 商業施設という公共性の高い場所での健診実施にあたっては、受診者のプライバシー保護について、医療機関と同等以上の細心の注意と工夫が不可欠となります。
まとめ:未来のヘルスケアを切り拓く「生活導線活用型健診」
ウィーメックスが実施した「生活導線を活用した健康診断」は、多忙な現代人の健康課題に対し、既存の枠にとらわれない柔軟な発想で挑んだ成功事例です。この取り組みは、単に健診受診率を向上させるだけでなく、企業にとっては従業員とその家族の健康を支援することで、生産性向上、コスト削減、競争力強化に繋がり、社会全体としては予防医療推進による医療費抑制に貢献する大きな可能性を秘めています。
今後も、顧客の課題解決に直結するサービスが継続的に提供され、私たちの健康と社会に持続的な価値が創出されることを期待します。
ウィーメックス株式会社について
PHCホールディングス株式会社の日本における事業子会社として、2023年4月より事業を開始。「メディコム」ブランドのレセプトコンピュータや電子カルテの他、薬局経営サポート、特定保健指導支援、遠隔医療システムなどを提供し、国内の「医療DX」を推進しています。
PHCホールディングス株式会社(PHCグループ)について
健康を願うすべての人々に新たな価値を創造し、豊かな社会づくりに貢献することを経営理念に掲げるグローバルヘルスケア企業。糖尿病マネジメント、ヘルスケアソリューション、診断・ライフサイエンスの事業領域で展開しています。
