探究学習の「悩み」を解決するヒント:ENAGEED SUMMITが示す主体性育成の道
「総合的な探究の時間」が高校で必修化されて3年以上が経ち、教育現場では新たな課題に直面しています。生徒の自己効力感の低下、教員の多忙化、そして探究学習が「机上の空論」で終わってしまうのではないかという懸念。そんな中、中高生が身近な「違和感」を起点に社会課題解決に挑戦するプレゼン大会「ENAGEED SUMMIT」が、未来の教育に光を当てています。
株式会社エナジードと住友生命保険相互会社が共催した「第6回 ENAGEED SUMMIT」決勝大会(THE FINAL)は、全国9,333名・37校のエントリーの中から選ばれた10組のファイナリストが、企画から検証、そして社会実装へ向けた挑戦を披露する場となりました。このイベントは、偏差値では測れない「意志」や「主体性」が、社会を変える資産になる瞬間を捉え、教育現場や企業が抱える課題に対し、具体的な解決策とヒントを提供しています。

ENAGEED SUMMITが解決する教育現場の「もやもや」
多くの学校で探究学習が導入される一方で、以下のような「もやもや」を抱えているのではないでしょうか。
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生徒の自己効力感の低下: 「自分にはできない」と感じる生徒が増え、主体的な学びへの意欲が湧きにくい。
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探究学習の「机上の空論」化: 素晴らしいアイデアがあっても、実際に社会に働きかける経験が不足し、学びが現実世界に繋がらない。
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社会との接点の不足: 外部の第三者からの具体的なフィードバックや、学びを深める対話の機会が少ない。
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教員の多忙化とサポート不足: 探究学習の個別サポートに時間を割けず、生徒の挑戦を十分に後押しできない。
ENAGEED SUMMITは、これらの課題に対し、「社会で活躍する大人からの具体的な講評」という形で、生徒の挑戦を肯定し、次の一歩へ向かう循環を育みます。これにより、生徒は「自分ならできる」という自己効力感を高め、教員は外部の視点を取り入れながら生徒の成長を促すことができるのです。
未来を拓く!感動と学びの成功事例
今回のENAGEED SUMMITでは、多岐にわたるテーマで社会課題に挑む中高生たちの素晴らしいプロジェクトが発表されました。彼らの挑戦は、まさに「自律型人材」が生まれるプロセスそのものです。
最優秀賞:熊本県立玉名高等学校附属中学校/斎田悠理菜さん「夜道を安全に!プロジェクション横断歩道」
夕方から夜間の見えにくい横断歩道での事故を減らしたいという強い問題意識から生まれたこのアイデア。プロジェクターやLEDを活用し、横断歩道の視認性を向上させる構想です。企業への問い合わせだけでなく、市役所や警察にも自ら確認を重ね、安全面・運用面・設置面といった実現に向けた条件整理を進めています。大会後も関係者との対話や検証を続け、現実の街に届く形へと挑戦を続けている点が評価されました。
優秀賞:高知県立安芸高等学校/筒井夏希さん「自分でできた!がうれしい子ども靴」
「子どもが『自分でできた』と感じる瞬間が、毎日の自信をつくる」という視点から、子ども靴の履きやすさと自立を後押しする設計に着目。家庭や現場の声を丁寧に拾い上げ、つまずきやすさや留め具の扱いといった見落とされがちな課題を言語化し、改善の方向性を組み立てました。小さな成功体験を日常の中に増やすことで、自己効力感につながる学びを提案しています。
優秀賞:三原市立第五中学校/TEAM 3つのD「自分たちでやりきる防災プロジェクト 正常化バイアスを打ち破れ!」

災害時に起きやすい「自分は大丈夫」という思い込み(正常化バイアス)に向き合い、地域のリスクや避難行動を自分ごととして捉え直した防災プロジェクト。調査・検討を重ねながら周囲を巻き込み、「行動につながる防災」を探りました。知識の獲得で終わらせず、「備えを動かす」ために何が必要かを問い続けた点が特徴です。
優秀賞:佐久長聖中学校/2B BAG「2B BAG」

「忘れ物が多い」「持ち物管理がうまくいかない」という日常の困りごとから、学びの環境そのものを整えるプロダクトアイデアへ発展。学校生活の動線や行動のタイミングに着目し、準備・持ち運び・取り出しまでの「つまずきポイント」を整理。改善の仮説を形にし、「できなかった」が「できた」に変わる瞬間を道具で支える提案です。
ENAGEED SUMMITから学ぶ「未来を拓く主体性」
これらの事例は、教育現場だけでなく、ビジネスの最前線に立つスタートアップや企業にとっても多くの示唆を与えます。
スタートアップが学べること
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日常の「違和感」をビジネスチャンスに: 受賞プロジェクトの多くは、身近な不便や社会課題への「違和感」から生まれています。これは、新しい市場やニーズを発見するための、スタートアップにとって重要な視点です。
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仮説検証と社会実装へのコミットメント: 机上のアイデアに留まらず、関係者へのヒアリングや実証実験を通じて、実現可能性を高めていくプロセスは、スタートアップのMVP開発や市場テストに通じるものがあります。
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ユーザー視点での課題解決: 子ども靴の事例のように、ターゲットとなるユーザーの声を丁寧に拾い上げ、具体的な課題解決へと繋げる姿勢は、顧客中心のプロダクト開発に不可欠です。
導入後のメリット・多角的分析
ENAGEED SUMMITのような取り組みは、学校や企業に以下のようなメリットをもたらします。
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生徒の自己効力感と主体性の向上: 挑戦が肯定され、具体的なフィードバックを得ることで、生徒は自信を持って次の一歩を踏み出せるようになります。これは、将来のキャリア形成において不可欠な非認知能力の育成に直結します。
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教員の負担軽減と教育力強化: 外部の専門家からの講評や連携は、教員が一人で抱え込みがちな探究学習のサポート負担を軽減し、教育内容の質を高める機会となります。
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学校の競争力強化: 社会と連携し、実践的な学びを提供する学校として、地域社会や保護者からの評価を高めることができます。
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企業の採用競争力強化: 企業は、このようなイベントを通じて、主体的に課題解決に取り組む若手人材と早期に出会う機会を得られます。これは、将来の生産性向上や競争力強化に繋がる人的資本への投資とも言えるでしょう。
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社会貢献活動としてのブランディング: 共催・協賛企業は、次世代育成への貢献を通じて、企業イメージの向上やブランディング強化を図ることができます。

ENAGEED SUMMITの仕組みとパートナーシップ
ENAGEED SUMMITは、「自己効力感(自分ならできると思える力=自信)」を土台に、日常の違和感から価値仮説を立て、小さく試し、社会へ実装するまでのプロセスを可視化する全国規模のコンテストです。これは、これからの社会に必要な「自律型人材」が生まれるプロセスそのものであり、学校と企業が連携して次世代を育てるプラットフォームとしての役割を担っています。
大会の詳細は、特設サイトでご覧いただけます。
https://www.enageed.jp/summit-2025-final-result
まとめ:未来の社会を創る「主体性」への投資
探究学習の必修化は、単なる知識の詰め込みではなく、生徒一人ひとりが社会と向き合い、自ら問いを立て、解決策を模索する力を育むための重要な一歩です。ENAGEED SUMMITは、まさにその目的を具現化するイベントであり、生徒たちの「自分でも世界は変えられるかもしれない」という手応えは、何物にも代えがたい財産となるでしょう。
株式会社エナジードは、「誰もが自らの生き方に誇りを持てる社会」の実現を目指し、自己効力感や主体性といった非認知能力を可視化・育成するプラットフォームを提供しています。教育と社会の分断を解消し、学校から企業まで一貫したデータで人の成長を支えることで、日本の人的資本を最大化することを目指しています。
株式会社エナジードについて、詳しくはこちらをご覧ください。
https://enageed.jp
この取り組みは、未来の社会をより良くするための「主体性」への投資であり、教育関係者、企業、そして次世代を担う全ての人々にとって、大きな希望となるに違いありません。貴校や貴社も、この未来を創る取り組みに参加してみてはいかがでしょうか。
