『野原ひろし 昼メシの流儀』が話題を呼んだ理由
「アニメ話題賞」は、X(旧Twitter)でのポスト数や視聴者の意見を基に、その年最も話題となった作品に贈られる賞です。本作が特に注目されたのは、その「ネットミーム化」という現象でした。
番組開始からわずか3週でトレンドスコアが450%に急成長し、2025年のアニメ関連ミームの約半数を『野原ひろし 昼メシの流儀』が占めるという驚異的な結果を出しました。モーションキャプチャを駆使したダンスや、野原ひろしのコミカルなリアクションが視聴者の間で大きな反響を呼び、SNSを通じて爆発的に拡散されたのです。
DLEの「オルタナティブ・アニメ事業」が示す新たな可能性
今回の受賞は、『野原ひろし 昼メシの流儀』がDLEの「オルタナティブ・アニメ事業」の第1弾作品である点に、特に注目が集まります。この事業は、テレビ放送や配信を目的とした30分アニメシリーズ(1クール、全12話)を、DLEが培ってきたAdobe Animateによる制作ノウハウを活用し、通常の2Dアニメ制作会社よりも低コストかつ短期間で制作することを目指しています。
スタートアップが学ぶべき点:アニメ制作の課題と解決策
コンテンツ産業において、アニメーションは非常に強力なIP(知的財産)となり得ますが、その制作には高額なコストと長い期間が伴うという課題がありました。これにより、多くのスタートアップや中小企業は、魅力的なアイデアを持っていても、アニメ化を諦めざるを得ない状況に直面していました。
DLEの「オルタナティブ・アニメ事業」は、まさにこの悩みを解決する画期的なアプローチと言えるでしょう。
導入後のメリット
- コスト削減: 従来の2Dアニメ制作に比べ、大幅なコストダウンを実現。予算の制約がある企業でもアニメコンテンツへの参入が現実的になります。
- 生産性向上・短期間制作: 効率的な制作ノウハウにより、短期間でのシリーズ完成が可能。市場の変化に迅速に対応し、タイムリーにコンテンツを投入できます。
- 競争力強化: スピーディーなコンテンツ展開は、市場での優位性を確立し、競合他社との差別化に繋がります。
- 外注費削減: 内製化された効率的なフローは、全体的な外注費の抑制に貢献する可能性があります。
導入事例と成功の多角的分析
『野原ひろし 昼メシの流儀』の成功は、この事業モデルの有効性を明確に示しています。ミドルクオリティのアニメーションでありながら、作品の内容がSNSでの拡散を促進し、結果として高い話題性とエンゲージメントを獲得しました。これは、単に「良いアニメを作る」だけでなく、「話題になるアニメを作る」という現代のコンテンツ戦略において、コストとスピードが重要な要素であることを示唆しています。
考慮すべき点(デメリット)
「ミドルクオリティ」という特性上、極めて高い作画品質を求めるような作品には不向きかもしれません。しかし、本作のようにキャラクターの魅力やストーリー、そしてSNSでの拡散性を重視する作品であれば、この制作手法は非常に有効な選択肢となります。重要なのは、作品の目的とターゲット層に合わせた最適な制作手法を選ぶことです。
監督・西山司氏が語る制作秘話と作品への想い
授賞式には、DLE所属の監督・西山司氏が登壇し、メインMCのハライチ・岩井勇気さんよりトロフィーが授与されました。

受賞の喜びを「ひろしに倣うのであれば、テーマパークに来たみたいだぜ テンション上がるな~という感じです。」と表現し、作品への思いについては「良き父親であるひろしとはまた違った仕事の中でのひろしの一面をだせればいいと思ってつくりました。」と語りました。

一番好きな回は「パンケーキ」と回答し、「自分でシナリオ確認する際にも、おもしろくて思わず笑ってしまいました。」と制作時のエピソードを披露。苦労したという第1話については、「方向性や表現などの模索で時間がかかりましたが、その分よいものになりました。」とコメントしました。また、終始西山監督のジャケットの下には、ひろしが顔をのぞかせていたという微笑ましい一幕もありました。
西山監督の情熱と苦労が、作品の成功に繋がったことが伺えます。クリエイターの熱意を効率的な制作体制で最大限に引き出すDLEの取り組みは、多くのクリエイターや企業にとって参考になるでしょう。
『野原ひろし 昼メシの流儀』とは
『野原ひろし 昼メシの流儀』は、「クレヨンしんちゃん」の公式スピンオフとして、主人公・野原ひろし(35歳)の昼食にまつわる出来事を描いた塚原洋一氏の漫画を原作としたアニメ作品です。

キャストは野原ひろし役に森川智之氏、監督は西山司氏が務め、シリーズ構成・脚本は森ハヤシ氏、モラル氏が担当しています。キャラクターデザインは山脇光太郎氏、音楽は多田彰文氏が手掛けています。

本作品は各種サイトにて配信中です。
©臼井儀人・塚原洋一/「野原ひろし 昼メシの流儀」製作委員会
まとめ:アニメ制作の未来を切り拓くDLEの挑戦
今回の『野原ひろし 昼メシの流儀』の受賞は、DLEの「オルタナティブ・アニメ事業」が、アニメ制作における新たな道筋を示したことを意味します。高品質なアニメーション制作は依然として重要ですが、限られたリソースの中で最大限の話題性と効果を生み出す「戦略的なアニメ制作」の可能性を広げたと言えるでしょう。
コストや時間的な制約からアニメーションコンテンツの制作を諦めていたスタートアップや企業にとって、DLEのこの取り組みは、IP活用、ブランディング、プロモーションといった多角的な事業展開において、きっと新たな選択肢となるはずです。コンテンツの力を最大限に引き出し、市場で存在感を放ちたいと願う全ての企業にとって、DLEの挑戦は強力な後押しとなるでしょう。
関連情報
DLEについて

株式会社ディー・エル・イーは、2001年12月27日設立のエンターテインメント企業です。『秘密結社 鷹の爪』をはじめとするIPの企画開発やアニメ・キャラクター等のコンテンツ制作事業を軸に、2014年に東証に上場しました。現在は、アニメとK-POPを中心に事業を展開しており、2025年にはAIとIPを融合した新たな取り組みも進めています。
リンク一覧
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『野原ひろし 昼メシの流儀』公式サイト: https://www.shinchan-app.jp/hiroshi-hirumeshi-anime/
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『野原ひろし 昼メシの流儀』公式X: https://x.com/Hiroshi_LunchTV
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『野原ひろし 昼メシの流儀』公式TikTok: https://www.tiktok.com/@hiroshi_lunchtv
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株式会社ディー・エル・イー公式サイト: https://www.dle.jp/jp/
