変化する新卒採用市場、貴社は対応できていますか?
近年の新卒採用では、「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方(三省合意)」に基づくインターンシップの見直しや、選考の「早期化」といった大きな環境変化が起きています。
このような状況下で、企業側がどのような施策で学生を評価し、どのような課題感を抱いているのかを明らかにするため、本調査は企業の採用担当者823社を対象に実施されました。特に「選考前の取り組み内容」や「選考時の学生の能力等に対する評価基準・観点」に焦点が当てられています。
2025年新卒採用動向調査から見えた3つの重要ポイント
1. 採用手法の多様化が進行中
新卒採用の手法は、もはや「一括採用」だけではありません。調査によると、「一括採用」が依然として主流であるものの(53.3%)、次いで「通年採用」(27.5%)や「職種別・コース別採用」(16.5%)といった多様な手法を採用する企業が増加しています。

これは、企業がより自社にフィットする人材を柔軟に獲得しようとしている表れと言えるでしょう。貴社も、従来の採用手法だけでなく、通年採用や職種別採用を検討することで、より多くの優秀な学生との接点を持てる可能性があります。
2. 大学との連携はもはや必須!規模が大きい企業ほど積極的
「大学との連携」に力を入れたいと考える企業は多く(20.9%)、既に連携している企業は50.6%に上ります。特に、従業員規模が大きい企業ほど、大学との連携に積極的な傾向が見られます。

連携しているプログラムとしては、「オープンカンパニー(タイプ1)」と「汎用的能力活用型インターンシップ(タイプ3)」が50%を超えており、今後もこの2つが大学と企業を繋ぐ主流になっていくことが予想されます。

学生のキャリア形成支援に係る産学協働の取組の四つの類型については、経済産業省の資料をご確認ください。
学生のキャリア形成支援に係る産学協働の取組の四つの類型
3. 選考基準の重要項目は「人柄・熱意」、しかしギャップは「汎用的スキル」に集中
選考で最も重要視される項目は「人柄や性格」(59.5%)であり、次いで「自社への熱意」(43.5%)、「汎用的スキル」(42.6%)が続きます。これは、大学側が学生に評価してほしい項目ともほぼ一致しています。

しかし、企業が採用時に求める水準と、実際に採用した学生の水準との間で最もギャップが大きかったのは、意外にも「汎用的スキル」(14.3%)でした。多くの企業が、学生の「思考力」や「問題解決能力」といった汎用的スキルに物足りなさを感じていることが浮き彫りになりました。

このギャップを埋めることが、今後の新卒採用における最大の課題と言えるでしょう。
貴社の新卒採用、こんなお悩みはありませんか?
今回の調査結果は、多くの企業が抱える具体的な採用課題を示唆しています。
求める人材と学生のスキルギャップにどう対処すべきか
特に「汎用的スキル」におけるギャップは、企業にとって大きな悩みです。入社後に「思ったより自律的に動けない」「課題解決能力が低い」と感じることは、教育コストの増加や生産性の低下に直結します。このギャップをどう埋め、入社前から学生のスキルを把握・育成していくかが問われています。
早期化する採用スケジュールに追いつけない
インターンシップ等の選考開始時期は、大学3年生の4月から5月までに集中し、企業と大学の認識は一致しています。

しかし、この早期化に対応し、低学年次から学生との接点を持てている企業はまだ少ないかもしれません。情報戦となる早期採用で遅れを取ると、優秀な学生を獲得する機会を逃してしまう可能性があります。
限られたリソースで効果的な採用活動をしたい
特に中小企業やスタートアップにとって、採用活動にかけられる時間や費用は限られています。多様化する採用手法や早期化に対応しつつ、いかに効率的かつ効果的に求める人材を見つけ出すかは、常に頭を悩ませる問題です。
調査結果を活かす!採用課題を解決するための具体的なアプローチ
これらの課題を乗り越え、貴社の新卒採用を成功に導くための具体的な戦略を考えてみましょう。
大学連携プログラムを積極的に活用する
大学との連携は、学生のキャリア形成を支援しつつ、貴社の認知度向上やブランディングに繋がる有効な手段です。特に「オープンカンパニー」や「汎用的能力活用型インターンシップ」は、学生が企業文化や仕事内容を深く理解する貴重な機会となります。
大学キャリアセンターへの期待としては、「企業の選考情報の提供」や「合同説明会の開催」だけでなく、「業界や職種等のキャリア研究のカリキュラム」など、学生の視野を広げる取り組みへの期待も高まっています。

大学と協力して、学生が低学年次からキャリアを考える機会を提供することで、将来的なミスマッチを防ぎ、貴社が求める人材との出会いを増やすことができるでしょう。
求める「汎用的スキル」を明確に言語化し、学生に伝える
「汎用的スキル」のギャップを埋めるためには、貴社が具体的にどのような「思考力」や「問題解決能力」を求めているのかを、学生や大学に明確に伝えることが重要です。漠然とした表現ではなく、具体的な行動例や業務で求められるレベルを示すことで、学生は自身のスキルを磨く方向性を理解しやすくなります。
これにより、選考時の評価基準も明確になり、採用担当者の負担軽減や選考プロセスの生産性向上にも繋がります。
多様な採用手法を柔軟に取り入れる
「一括採用」に加えて、「通年採用」や「職種別・コース別採用」を検討することで、採用の機会を増やし、より幅広い学生層にアプローチできます。特に、特定のスキルを持つ人材を求める場合は、職種別採用が効果的です。貴社の採用ニーズに合わせて、柔軟に手法を組み合わせることで、採用競争力を高めることができるでしょう。
スタートアップ企業が「汎用的スキル」ギャップ解消で競争力を高めるには
限られたリソースで成長を目指すスタートアップ企業にとって、新卒採用は非常に重要です。今回の調査結果は、スタートアップが効率的かつ効果的に優秀な人材を獲得するためのヒントを多く含んでいます。
早期からの大学連携で優秀な人材との接点を作る
大手企業に比べて知名度が低いスタートアップこそ、大学との早期連携が大きな武器になります。オープンカンパニーや汎用的能力活用型インターンシップを通じて、学生に貴社のビジョンや文化を直接伝え、共感を呼ぶことが可能です。
これにより、学生は「この会社で働きたい」という強い動機付けを得られ、貴社は大手企業との採用競争において優位に立てるでしょう。これは、広報費や広告費といった外注費削減にも繋がる、非常に生産性の高いアプローチです。
選考基準の明確化でミスマッチを減らし、効率的な採用を実現
スタートアップでは、一人ひとりのパフォーマンスが組織全体の生産性に直結します。だからこそ、求める「汎用的スキル」を明確にし、選考基準を具体的に言語化することが不可欠です。
これにより、選考にかかる時間や労力を削減し、採用後のミスマッチによる再採用コストも抑えることができます。結果として、採用プロセスの生産性向上とコスト削減に大きく貢献するのです。
生産性向上とコスト削減に繋がる採用戦略
多様な採用手法を柔軟に取り入れることも、スタートアップには有効です。例えば、通年採用を取り入れることで、急な人材ニーズにも対応しやすくなり、事業成長のスピードを落とすことなく人材を確保できます。また、特定の職種に特化した採用を行うことで、採用活動を効率化し、無駄なコストを削減することが可能です。
導入後のメリット・デメリットを正直にお伝えします
新しい採用戦略を導入する際には、メリットとデメリットを理解しておくことが大切です。
メリット:ミスマッチ削減、採用効率化、競争力強化、ブランディング向上
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ミスマッチ削減:学生の「汎用的スキル」を早期に把握し、育成に協力することで、入社後の「こんなはずじゃなかった」を減らせます。
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採用効率化:明確な選考基準と多様な採用手法により、採用プロセスがスムーズになり、担当者の生産性が向上します。
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競争力強化:変化に対応した採用戦略は、優秀な人材獲得において貴社の競争力を高めます。
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ブランディング向上:大学との連携や学生への丁寧な対応は、企業の社会的な評価やブランドイメージ向上に貢献します。
デメリット:新たな戦略への適応コストと運営の手間
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初期投資:新しい採用手法や大学連携プログラムの導入には、初期的な時間や労力の投資が必要です。
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運営の手間:大学との継続的なコミュニケーションや、プログラムの企画・運営には一定の手間がかかります。しかし、長期的に見れば、これは人材育成と企業成長への貴重な投資となるでしょう。
まとめ:未来の採用をデザインする一歩を踏み出しましょう
今回の調査結果は、新卒採用市場が大きな変革期にあることを示しています。特に「汎用的スキル」のギャップ解消と大学との連携は、今後の採用成功の鍵を握るでしょう。
株式会社ベネッセi-キャリアの「まなぶとはたらくをつなぐ研究所」所長である岡安 亮氏は、「早期からのキャリア観の醸成と、汎用的スキルの継続的な育成をベースとして、産学で連携して議論し、採用スケジュールの見直しや、新しい採用手法の模索が行われていくことになるでしょう。そのことが、企業と学生の双方が納得できる大社接続の実現に直結する」と語っています。

変化を恐れず、この調査結果を貴社の新卒採用戦略に活かすことで、生産性の向上、コスト削減、そして何よりも貴社を未来へと導く優秀な人材との出会いを実現できるはずです。
貴社の採用課題を解決し、未来をデザインする一歩を、今、踏み出してみてはいかがでしょうか。
より詳細な調査報告書は以下からダウンロードできます。
