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不登校・定時制の「その後」を問い直す:文科省官僚が語る『教育経験格差』と共感から生まれる支援の輪

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教育・人材

不登校・定時制が抱える「教育経験格差」の深層に迫る

「学校に行けなかった、その後の人生はどうなるのだろう?」

この問いは、不登校や定時制高校での学びを経験した多くの方々、そしてその支援に関わる方々が抱える共通の悩みかもしれません。NPO法人マナビダネが主催した講演会『教育経験格差 ~不登校・定時制の「その後」に待ち受けるもの~』では、この切実なテーマに、自身の経験を持つ文部科学省の藤井健人氏が深く切り込みました。

講演会告知ポスター

講演会の核心:当事者だからこそ語れる「社会構造の問題」

2025年12月13日に開催されたこの講演会では、小学5年生で不登校を経験し、定時制高校、早稲田大学、東京大学大学院を経て、現在は文部科学省に在籍する藤井健人氏が登壇しました。藤井氏は、自身の当事者としての経験をもとに、不登校が個人の問題として片付けられがちな中で見落とされがちな「社会的な構造の問題」について語りかけました。

彼の言葉は、単なる体験談に留まらず、不登校をめぐる社会のあり方、そしてその先にある学びや支援の可能性について、参加者それぞれが深く考えるきっかけとなりました。講演会の目的は、不登校の状態にある子どもたちの今と将来の福利を守ることであり、そのために「教育経験格差」というテーマを通じて、多様な立場の人々が互いの見ている景色の違いを理解し、共に語り合える言葉を見つけることでした。

講演中の様子

多角的な視点から「教育経験格差」を考える:参加者の声

講演会には、学生、教育関係者、民間支援者、保護者、高校生など、様々な立場の方々が参加しました。彼らが持ち帰った感想は、「教育経験格差」という一つのテーマに対する認識の幅広さを示しています。

講演会参加者からの感想スライド

  • 学生からの声
    社会の下層に置かれた人ほど選択肢が少なくなり、それが格差の固定化につながるという指摘に共感の声が上がりました。「大学に進学する」という発想自体が生まれにくい環境があるという現実を、自身の経験から感じている学生もいました。

  • 教育関係者からの声
    藤井氏の人生経験を語る勇気に感謝し、学びの場から孤立させないことの重要性を再認識する機会となりました。

  • 民間支援者からの声
    「学校を安心できるように変えてほしい」という子どもたちの声を受け止め、国や学校が多様な学びの機会を充実させるべきだという現状への問題提起がありました。また、支援が「死なずに済んでよかった」で終わらず、当事者のネガティブな声をありのまま受け止めることの根本的な重要性を指摘する意見も出ました。

  • 保護者からの声
    子どもの不登校当時の混乱や葛藤が蘇り、辛い気持ちになった一方で、藤井氏の「絶望や怒り」を原動力に立ち続ける姿に「人類最大の罪は隣人への無関心」という言葉が想起されたといいます。

  • 高校生からの声
    自身の定時制高校での経験と藤井氏の話が重なり、「普通」になりたくて努力してきた道の先に「次どこに向かえばいいのか」が見えなくなった感覚を共有しました。

これらの声は、不登校をめぐる問題が、個人の努力や気持ちだけでは解決できない、社会構造や環境の影響と深く結びついていることを浮き彫りにしています。不登校や定時制を経験した人々が社会で生きづらさを感じず、それぞれの能力を最大限に発揮できる社会は、個人の幸福だけでなく、社会全体の生産性向上にも繋がります。また、孤立を防ぎ、多様な人材が活躍できる環境を整えることは、長期的な視点で見れば、社会全体が抱える潜在的なコストの削減にも貢献すると考えられます。

講演者 藤井健人氏

共に語り合い、未来を拓くための「感想シェア会」

今回の講演会では、参加者の立場が多岐にわたったことが分かります。

参加者の立場を示すグラフ

立場の異なる意見を、その背景も含めてじっくりと聞くことは、自分と異なる考えを持つ人々が置かれている状況を理解する貴重な機会となります。講演会当日も、予定時間を大きく超えて活発な意見交換が行われました。

この講演会が、参加者それぞれが『今日の体験を明日からどう生かすか?』という問いを持ち帰るきっかけとなったことが伺えます。そして、この機運を次につなげるため、多くの要望を受けてオンラインでの感想シェア会の開催が決定しました。

藤井氏講演会の感想シェア会

  • 日時: 2026年2月26日(木) 20:00~22:00

  • 形式: オンライン開催

  • 参加費: 無料

  • 定員: 20名

  • 申込み: 申込みフォームはこちら
    藤井氏の参加はありません。

NPO法人マナビダネの取り組み:地域に「学びのセーフティネット」を

本講演会を主催した特定非営利活動法人マナビダネは、埼玉県入間市で不登校や学校に馴染みにくい子どもたちが安心して学べる「フリースクール いろいろダネ/いろいろダネ+」を運営しています。

マナビダネの活動紹介

また、不登校支援ガイドの制作・配布や、支援者向けシンポジウムの開催などを通じて、地域に「学びのセーフティネット」を築く活動を展開しています。どんな困難を抱える子どもも、自分らしい未来を描ける地域社会を目指し、活動を続けています。

マナビダネでは、こうした活動を支える賛助会員を募集しています。

まとめ:共に考え、行動する未来へ

今回の講演会とそれに続く感想シェア会は、「教育経験格差」という社会課題に対し、様々な立場の人々がそれぞれの思いを共有し、共に向き合うことの重要性を示しました。不登校をめぐる課題は決して一人で抱え込むものではなく、社会全体で対話し、連携していくことで、より良い未来を築けるはずです。

この問題に関心のある方、共に考え、行動したいと願う方にとって、今回のレポートや感想シェア会が、新たな一歩を踏み出すきっかけとなることを願っています。

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